北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
Never Ending Story: Intel’s Sapphire Rapids (maybe) comes in the 12th Stepping – Planned shipping, a growing bug list and possible availability | Exclusive(Igor's Labs)
Intel Sapphire Rapids Xeon Scalable launch window reportedly moves to February 6 – March 3 2023(VideoCardz)
Sapphire Rapidsの量産は2023年に延期、Optaneが終焉 インテル CPUロードマップ(ASCII.jp)

第4世代Xeon Scalable Processorこと“Sapphire Rapids-SP”がまた遅れるようだ。その理由は非常に多岐にわたる。問題点やエラーは“NDA sightes”ともよばれるNDAの内部資料に収集されるが、現在そのエントリーの数はおおよそ500にも及び、さらにはまだ増え続けているようだ。“Sapphire Rapids-SP”は既に12のsteppingを刻んでいるが、未だ日の目を見ることはできない。そしてここまで多くのsteppingを刻んだ製品はIgor's Labsが知る限りでは存在しない。
SteppingはA0とA1からはじまり、B0, C0, C1, D0, E0, E2, E3そしてE4と来て、現在のSteppingはE5である。
本来であれば“Sapphire Rapids”は1年半前に市場投入されるはずの製品であった。
 
“Sapphire Rapids”(のXCCダイ)はChiplet設計をとり、4つの15-coreのダイないしはタイルをEMIBにより接続したものである。合計のコア数は60-coreとなる。“Sapphire Rapids-SP”はIntelのサーバー向けProcessorとしては、“Ice Lake-SP”までとは異なる、大きな前進を果たす製品だった。“Sapphire Rapids-SP”はIntelの中でも最も革新的なサーバー製品となるはずだったが、裏目に出た実装と度重なる遅延が今の状況を招いてしまった。当初、“Sapphire Rapids-SP”はAMDの第3世代EPYC―“Milan”の競合製品となるはずだった。しかし遅延により、“Sapphire Rapids-SP”はその次の第4世代EPYC―“Genoa”と競争しなくてはいけなくなってしまった。

今に至るまで、Intelの顧客とパートナーには“Sapphire Rapids-SP”が2022年下半期に利用できるようになると想定している。しかし内部情報はより現実的で、現在Intelが明らかにしている“Sapphire Rapids”の“launch window”は2023年第6週から9週―つまり2023年2月6日から3月3日のどこかに設定され、一方で限定された顧客に対する最初の出荷は2022年中となっており、2段構えとなっている。2022年第42週に2-socket対応の小規模モデルが、第45週に4, 8-socketの大規模モデルが出荷されると推定されている。

ASCII.jpに掲載されている大原氏の記事の3ページ目に“Sapphire Rapids-SP”に関する質疑応答が記載されているが、惨憺たる内容と言わざるを得ない。

多くのSKUは前四半期に立ち上げを開始し、現在立ち上がっている最中であり、今回の問題はこれらのSKUには影響がない。またもう1つのSKUのテープアウト行ったが、こちらは今年下半期の量産を予定している。

・・・このSKUというのがまずわかりにくい。まだ発表していないものを具体的に言うわけには行かないので、ぼかされて当然ではあるが、ここで言われているSKUがXeon PlatinumやXeon Goldといったレベルのくくりなのか、あるいはもっと広くXeon Scalable ProcessorとXeon Wのようなものなのか、あるいはXeon Platinum 8480やXeon Gold 8430のようなより狭い個々のレベルのものかは読み取れない。最初は2-socket対応の小規模モデルが・・・というIgor's Labsの記載を踏まえるとXeon Gold 5400以下が先に出てくる、あるいはXeon W (“Sapphire Rapids-X/-HEDT”)が先に出てくるという可能性があるだろうか。

「“Sapphire Rapids”の失敗は明らかである」
「“Sapphire Rapids”の立ち上げ準備は遅れている」

その後も、このような厳しい状況を伝える言葉が続き、最後の「要するに“Sapphire Rapids”は事実上2023年上半期に出荷すると言うことか?」という剛速球ストレートな問いに対して「今年も(いくつかのSKUは)出荷することになるが、ほとんどものは来年出荷すると思う」と回答している。

Igor's Labsの内容も凄まじいものでエラーや問題点を収集したNDA内部ドキュメントは500前後に達し、これまでに12のsteppingが作られ、現在はE5 steppingであるという。そしてその最新のE5 steppingで製品化するとはどこにも書かれていない(この先E6だのF2だのが出てくる可能性があるということだ)

ではどこが“Sapphire Rapids-SP”の足を引っ張っているのか? さすがにこのような核心的な内容は出てこない。“Alder Lake”が順調なのを見るとIntel 7プロセスが爆弾を抱えている可能性は低いと読みたいが、“Sapphire Rapids”のダイサイズになったら問題が噴出したという可能性もなくはない。問題がEMIBになるとより深刻で、EMIBを用いる他の製品―“Sapphire Rapids”の次の“Emerald Rapids”や“Ponte Vecchio”にまで影響が出ている可能性がある。
“Sapphire Rapids-SP”に仕込まれた命令セットあたりが問題を抱えているとすると、次の“Emerald Rapids”ではその命令をシレっと削除して割とすぐに出てくる・・・という楽観視もできるかもしれないが、このシナリオの場合、“Sapphira Rapids”は出荷したという実績のために出荷され、すぐに“Emerald Rapids”にとって代わられるという、不遇な扱いを受ける運命が待ち受けていることになる。
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コメント
この記事へのコメント
189321 
つまりSapphire Rapidsは実質Emerald Rapids−(Xeon界のCannon Lake?)になる可能性があるのか
もうサーバー向けはさっさとEmerald Rapidsを注力した方が良さそうですね
2022/08/01(Mon) 19:26 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189324 
Genoaの発表イベントで既に息してないIce Lake-SPがオーバーキルされるのが確定してしまったか。

この調子でいくとSapphire Rapidsの実質的な競合はGenoa-XやBergamoになり、Emerald RapidsはTurinの競合になるのでは?
絶望的な状況だが挽回できるだろうか。
2022/08/01(Mon) 20:52 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189325 
前に別の記事でコメントしましたが、そもそもGoldenCoveはIntel7ではなく、Intel4(というか旧Intel7nm)を前提にしたアーキだったと推測しています。10nm世代では既にIceLakeでそれなりの拡張を実現していたわけで、そこにさらにGoldenCoveを導入するのは、本来は辻褄が合わないわけです。

14nmでRocketLakeがあれだけの爆熱であったことを考えると、10nmの亜種に過ぎないIntel7でGoldenCoveを導入するのは、それ以上にハードルが高いと思われます。

AlderLakeは、ハイブリッドだから何とか導入できたのでしょう。しかし、P-CoreしかないSapphire Rapidsでは、仮にTDP枠に収めようとすると、とんでもない低性能になってもおかしくないと思われます。
2022/08/01(Mon) 21:06 | URL | LGA774 #9zOzYU0I[ 編集]
189326 
これだけ財務状況が悪化するとプロセス開発にも悪影響出てくるだろう
intel 7+++みたいなのが出てくるかも
2022/08/01(Mon) 21:11 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189327 
PapermasterだかForrest NorrodだかがRomeの時点でIcelakeと戦うために準備したといっていたのが懐かしい。
本来Milanで戦う相手がGenoaで叩き潰せるのか。

TSMCと組んでいるとはいえEFBやSoICとか新技術を最初に使って
インターコネクト(IF)類も含め大きなトラブルなく順調なのはあたりまえだけどすごいことなんだな。

大原が以前の記事でCXL関係がだめなのではという噂を指摘していたけどそれだけではなさそう。
Auroraはタダで献上かな?
しかしIntel決算やばいな。
2022/08/01(Mon) 21:14 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189328 
ここまで来ると誰かのサボタージュでは、くらいには思えてくる
手持ちの3990Xの方がコア数多い上に既に2年以上稼働してる状況だし
2022/08/01(Mon) 21:48 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189329 
プロセスは割と順調に成熟してきてるからEMIBの問題の予感がするんよね
2022/08/01(Mon) 22:05 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189332 
うーん…仕方ないとはいえ一番重要なところがNDAで公にできないというのがモヤモヤするな。
一つの可能性としてはMCCダイは何とかできるけどXCCダイに問題点が山積みとかかな?
2022/08/01(Mon) 22:19 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189333 
Sapphire Rapids-SPはAurora用に少なくとも出荷はしてるはずなんだけどボロボロなんだろうなぁ
2022/08/01(Mon) 22:42 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189335 
>>あるいはXeon W (“Sapphire Rapids-X/-HEDT”)が先に出てくるという可能性があるだろうか
先にXeon Wのラインナップがリークされたのを考えるとその可能性が高そうですね
2022/08/01(Mon) 23:18 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189336 
ぐっだぐだだな
2022/08/02(Tue) 00:19 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189337 
何だろうね、命令セットに欠陥のあるようなCPUでスパコンみたいな巨大システムを作るとも思えないけど。
製造の問題にしても信頼性が低いと計算中にノードがボコボコ死んで計算がおじゃんになってしまう。
2022/08/02(Tue) 00:49 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189338 
12のsteppingでまだ解決できないって尋常じゃないな
2022/08/02(Tue) 01:14 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189340 
問題をかかえた12ステッピング目より前のSapphire Rapidsが
Aurora向けに既に稼働しているので、性能やエラッタ的な問題ではなく
歩留まりが極端に悪いか、エネルギー効率が悪いかみたいな話だと思う
2022/08/02(Tue) 03:21 | URL | LGA774 #vbu/5PMA[ 編集]
189344 
>>189338
こういうので試行錯誤した知見が後の製品に活かせるのも体力のあるIntelの強みではある
2022/08/02(Tue) 05:54 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189356 
>189344
Intelに限らずどの会社でもそうだよ…
2022/08/02(Tue) 10:10 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189364 
>>189325
Sunnycoveの時点ではIntelが10nmで実現可能だと事前にアナウンスしてたのよりトランジスタ密度がかなり低かったから
Goldencoveでトランジスタ密度を上げる余地は十分にあったと思うよ
もともとIntel10nmはTSMC7nmよりも実装密度は高いので設計でヘマしなければIPCでZen3を上回るていどのものは作れないほうがおかしい

Sunnycoveでトランジスタ密度が低めだったのは
これも事前にアナウンスがあったように
初期10nmではサイズダウンはできたもののトランジスタあたりの性能が上がらなかったせいだろうね
2022/08/02(Tue) 12:36 | URL | LGA774 #wLMIWoss[ 編集]
189374 
189328
まだ社内にクルザニッチ派がいて足を引っ張ってるんでしょ
2022/08/02(Tue) 17:22 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189375 
>189332
そうならMCCだけでも出荷しない?
2022/08/02(Tue) 17:27 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189376 
>>189328
3990X、その性能が陳腐化はまだまだ先でしょう
今後も大事に使ったってやー
2022/08/02(Tue) 18:38 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189382 
効率が悪いという可能性は大いにありそうだな。
1パッケージに4ダイ載せると問題になる部分となると、まず熱か消費電力が思い浮かぶし。
2022/08/02(Tue) 21:24 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189385 
>>189375
>>そうならMCCだけでも出荷しない?
それが先日ラインナップがリークしたSapphire Rapids-X/-HEDTでそっちを先に出荷するとか?
Sapphire Rapids、Auroraで使っているらしいからそこから何か情報が得られればなあ…
2022/08/02(Tue) 23:09 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189386 
>>189356
TSMCとSamsungは7nm作るときに生産難易度と引き換えに色々な難技術を断念しまくったぞ
Intelは難技術を搭載しつつ後から生産難易度を下げてくる
2022/08/02(Tue) 23:13 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189391 
>>189356
そんじょそこらの会社なら高額の違約金払った段階で飛びかねないわ
2022/08/03(Wed) 05:47 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189404 
>>189340 
未だ稼働してないぞ
絶賛インストール中
2022/08/03(Wed) 20:15 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189408 
>189386
現実を見て判断した"TSMC"と"Samsung"と、理想に溺れて遅延しまくった"Intel"か
どう考えても前者の方がまともな判断しているな
2022/08/03(Wed) 23:48 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189409 
>189408
理想というか計画というか、当初の目標の遂行を不可能と認めてプランBに転換する経営判断が異様なほど遅かった。
認識に時間がかかってるなら技術スタッフの能力不足だし、社内政治で判断に時間がかかってるなら輪をかけて最悪。
プロセスだけでなくSapphire Rapids製品でも問題の根は同じかも知れんと危惧している。
2022/08/04(Thu) 01:36 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189411 
>>189391
さすが世界のIntel、四半期だけで違約金を$300Mも支払った!ってかw
そこは感心するポイントじゃないのよww
2022/08/04(Thu) 01:58 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189413 
>189408
Samsungは理想と現実を中途半端に追いかけた結果が悲惨な歩留まり率に繋がってそう
スナドラとRTXから見放されたSamsungには何が残るんだろう?
2022/08/04(Thu) 04:28 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189443 
>189413
SamsungにはまだNANDとDRAMがあるから何とか生きていけそうではある
そこから最先端プロセスで逆転があるかはわkらないですけど
2022/08/05(Fri) 10:10 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189467 
>189413
Google TensorとかFPGAとか、まぁ捨てる神あれば拾う神ありだよ
良くも悪くもIntelとは業態が違う
2022/08/06(Sat) 09:09 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189520 
>189467
TensorのCPU部分はExynosベースらしいし、なかなか強かな戦略だなw
2022/08/08(Mon) 11:43 | URL | LGA774 #-[ 編集]
189558 
>>189386
たしか10nmのときに色々断念したんだっけ?
TSMCは10nm作ったけど、不安定だったのか早々に見限って7nmの開発と12nmの延命を進めてた
Samsungは改良版の8nm(実質10nm+)出したけど歩留まりはお察し
2022/08/09(Tue) 16:45 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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