出だしから怪しかった新9号機であったが、マザーボード交換後は無事安定し、とりあえずの測定を行うことができた。
先々代のCore i9 10900や先代のCore i9 11900同様、初期状態とPL2 = Maxiumum Turbo Power (MTP) を調整した後での比較も行う。
今まではPL2 = 81Wに調整していたが、Core i9 12900ではコアが増えたこともあり、PL2 = 104Wに調整した。ちょうどPL1 (65W) の1.6倍の数字である。
先々代のCore i9 10900や先代のCore i9 11900同様、初期状態とPL2 = Maxiumum Turbo Power (MTP) を調整した後での比較も行う。
今まではPL2 = 81Wに調整していたが、Core i9 12900ではコアが増えたこともあり、PL2 = 104Wに調整した。ちょうどPL1 (65W) の1.6倍の数字である。
9th PC model 21.1 | 9th PC model 22.1 | |
CPU | Intel Core i9 11900 8-core/16-thread, 2.80GHz/Boost Max 5.20GHz, L3=20MB, TDP65W | Intel Core i9 12900 16-core/24-thread (8 P-core + 8 E-core), P-core : 2.40GHz/Boost Max 5.10GHz, E-core : 1.80GHz/Boost Max 3.80GHz, L3=30MB, TDP65W |
Motherboard | ASRock Z590M Pro4 Intel Z590 chipset, MicroATX | ASUS ROG Strix Z690-G Gaming WiFi Intel Z690 chipset, MicroATX |
memory | Crucial DDR4-2666 16GB×4 | Crucial DDR5-4800 32GB×2 |
GPU | ASUS PH-GTX1660TI-O6G (NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti) | |
Storage 1 | WD Black SN850 1TB | |
電源 | SilverStone SST-SX700-PT | Corsair SF750 |
ケース | Abee acubic G40 | |
CPUクーラー | Noctua NH-L9x65 | |
OS | Windows 10 21H1 | Windows 11 22H2 |
ちなみにCore i9 12900の公式の設定はProcessor Base Power (PBP) 65W、MTP202Wである。PBPの3倍に達するMTPの数字は少々いかがなものかと思いながら、ASUS ROG Strix Z690G Gaming WiFiでの設定を確認する。

PL1 = Unlmited, PL2 = Unlimited
・・・いやな予感しかしない。

調整した後はこちら。PL1 = 65W, PL2 = 104Wとなっている様子がわかる。PL1, PL2の調整もCore i9 10900以降、だいぶ慣れてきた感がある(実際BIOSを少しいじるだけだし)。
ベンチマークスコアは以下の通り。
Core i9 11900 | Core i9 12900 Unlimited | Core i9 12900 MTP 104W | |||
Blender 3.0 | monster | N/A | 149.26 | 137.05 | -8.2% |
junkshop | N/A | 85.25 | 72.84 | -14.6% | |
clasroom | N/A | 62.09 | 54.12 | -12.8% | |
CineBench R15 | OpenGL | 209.59 | 281.52 | 285.55 | +1.4% |
CPU | 1830 | 3252 | 3034 | -6.7% | |
CPU single | 246 | 274 | 284 | +3.6% | |
CineBench 20 | CPU | 4096 | 8023 | 7273 | -9.3% |
CPU single | 600 | 739 | 757 | +2.4% | |
CineBench 23 | CPU | N/A | 18548 | 18095 | -2.4% |
CPU single | N/A | 1919 | 1972 | +2.8% | |
PCMark 10 | 7180 | 7975 | 7617 | -2.0% | |
Essentials | 10839 | 10708 | 9796 | -8.5% | |
Productivity | 9720 | 11092 | 11094 | +0.018% | |
Digital Content Creation | 9533 | 11587 | 11035 | -4.8% | |
3DMark TimeSpy | 6418 | 6435 | 6359 | -1.2% | |
Graphics | 5974 | 5803 | 5755 | -0.82% | |
CPU | 11090 | 16827 | 15703 | -6.6% | |
3DMark FireStrike | 14475 | 14575 | 14535 | -0.27% | |
Graphics | 15382 | 15120 | 15119 | -0.066% | |
Physics | 26502 | 36080 | 35202 | -2.4% | |
Combined | 6820 | 6736 | 6711 | -0.37% | |
FFXV Benchmark | 8376 | 8430 | 8680 | +3.0% | |
ちはやローリング | 2884526 シベリア | 2793543 シベリア | 2831268 シベリア | +1.4% |
MTP調整前と調整後ではMulti-coreが効く場面において、調整後のスコアが低くなる傾向が見られるが、Core i9 11900のPL2調整前後程の差は出ていない。Core i9 11900は81W、Core i9 12900は104Wと今回の方が緩めの設定なのでそれも寄与しているのかもしれないが、Ulimited時の発熱が酷くて性能が出し切れていない可能性も高い。
一方、稼働するスレッド数が少ない場合は逆にMTP調整後の方がスコアが高くなる傾向がある。稼働するスレッド数が少ない場合はMTP104Wでも十分力を出せるのかもしれない。
そして温度と消費電力である。
Core i9 11900 | Core i9 12900 Unlimited | Core i9 12900 MTP104W | |||
消費電力 | Idle | 48W | 57W | 57W | ±0% |
OCCT Load (Max) | 186W | 312W | 209W | -33% | |
OCCT Load (Avg) | 117W | 223W | 143W | -35.8% | |
負荷時最高温度 | 65℃ | 100℃ | 80℃ | ||
負荷時周波数 | Max | 4.60GHz | 5.00GHz | 3.70GHz | |
Avg | 3.30GHz | 3.30GHz | 2.60GHz |
初期設定のUnlimitedの値は凄まじいものとなった。Idle時の消費電力Load時は最大312Wを記録、平均値223Wと凄まじい値となった。温度は常にTjMaxの100℃で張り付いており、夏の間のとんでもない熱さも頷ける結果であった。
そしてその中身がまた酷い。

周波数は一瞬だけ5.00GHzに達した後、徐々に落ちていく。一度3.70GHzで落ち着くかに見えるが、冷やし切れていないようで、右肩下がりで周波数が周波数が落ちていき、6分後には3.29GHzまで下がってしまった。温度はその間無慈悲に100℃を維持し凄まじい発熱をまき散らす。312Wの数字は一瞬だけ到達した5.00GHzの時の値である。その後、周波数の低下とともに消費電力は下がり、260→240→223Wと推移する。冗談じゃなしに腹ぺこで動けない事態が生じていたのである(これぞまさしくお腹ぺこぺこのペコリーヌである。
PBP65W, MTP104W, Tau 28secに

Tauで設定されている28秒間だけ3.70GHzに達した後、その後は2.60GHzに落ち着く。温度も80℃を維持する。
しかし、この状態でも、散々熱いだのと言われた“Rocket Lake-S”ことCore i9 11900の初期設定の数字よりも高い。SSD 1枚分とDDR5メモリだけではこの差はでてこないはずなので、Core i9 12900の方が発熱・消費電力ともにシビアであると言わざるを得ないだろう。
性能は確かに上がった、しかし消費電力と発熱も増えた
例に漏れず、このベンチマークの値は良識の範囲であればご自由に使用していただいてかまわない・・・まあ、あまり使えるものではないだろうが。

この記事へのコメント
次世代もかなりの大飯喰らいのようだしペコリーヌの進化が止まらない…
2022/10/15(Sat) 22:04 | URL | LGA774 #-[ 編集]
CPUクーラーはリテールのものかな?
2022/10/15(Sat) 22:51 | URL | LGA774 #-[ 編集]
そういえば八雲さんは16コアが当たり前の時代になったらお名前は十六夜(イザヤと読ませる)に?
2022/10/16(Sun) 01:52 | URL | LGA774 #-[ 編集]
コア数はすぐに古くなるからクロック周波数にしよう
6GHz子にしとけばしばらく持つでしょ
6GHz子にしとけばしばらく持つでしょ
2022/10/16(Sun) 02:30 | URL | LGA774 #-[ 編集]
Core i9-13900Kは65W設定でCore i9-12900Kと同性能らしいから、こっちだと小型のケースでも運用出来るかもね
2022/10/16(Sun) 02:38 | URL | LGA774 #-[ 編集]
反りダーレイク発動してそうな予感ある
2022/10/16(Sun) 06:19 | URL | LGA774 #-[ 編集]
コア数が多くなってTDP65Wという純粋な発熱・消費電力に収めるのが不可能なってしまった
悲しい
性能伸ばす方向も大事だが省電力方向もちゃんとやって欲しい
悲しい
性能伸ばす方向も大事だが省電力方向もちゃんとやって欲しい
2022/10/16(Sun) 08:26 | URL | LGA774 #-[ 編集]
CPUの耐性次第だけど、電圧下げもやって欲しい。
2022/10/16(Sun) 09:26 | URL | 774@本舗 #-[ 編集]
DDR4ではアクセス待ちでコアが遊んでるってことかな。
2022/10/16(Sun) 11:42 | URL | LGA774 #-[ 編集]
DDR5-5600のRaptorだとどれだけ爆熱なんだろうか・・・。
2022/10/16(Sun) 11:45 | URL | LGA774 #-[ 編集]
12900K Long125W-short135Wで、CINEBENCH R23 Multi Core 24000超えるのに。
12900、Unlimited設定で18548とずいぶん低いな。
12900、Unlimited設定で18548とずいぶん低いな。
2022/10/16(Sun) 19:13 | URL | LGA774 #-[ 編集]
これは腹ペコじゃなくオーバーヒートですね
良く冷やしたらもっとたくさん食べられるよ^^
良く冷やしたらもっとたくさん食べられるよ^^
2022/10/16(Sun) 22:56 | URL | LGA774 #-[ 編集]
>191268
その結果がどこから引っ張り出してきた値かはわからないけどCPUクーラーの差じゃない?
水冷環境など、冷却マシマシ環境ならばもっと出ると思うけど
小型PC前提で使用しているロープロ仕様のNoctua NH-L9x65だと無理があるのだと思う
…言っておくけどNoctua NH-L9x65の性能が低いわけではないんやで?
その結果がどこから引っ張り出してきた値かはわからないけどCPUクーラーの差じゃない?
水冷環境など、冷却マシマシ環境ならばもっと出ると思うけど
小型PC前提で使用しているロープロ仕様のNoctua NH-L9x65だと無理があるのだと思う
…言っておくけどNoctua NH-L9x65の性能が低いわけではないんやで?
2022/10/17(Mon) 00:25 | URL | LGA774 #-[ 編集]
ネットのベンチマーク結果は、水冷使うのが多いから、9cm空冷かつ、小さいPCで性能が示されるのは興味深いですね。
また、電力盛々だと熱限界が来るので、TDP下げた状態と同じくらいの性能というのも面白いです。
また、電力盛々だと熱限界が来るので、TDP下げた状態と同じくらいの性能というのも面白いです。
2022/10/17(Mon) 21:56 | URL | LGA774 #-[ 編集]
MTPを制限すればCPUに関してはその通りのピーク電力になりそうだから
MTPを104Wに制限してRocketのIntel標準設定よりピーク電力高くなるってことは
CPU以外も電力食いってことなのかな。
一番怪しいのはDDR5、二番目がマザーボードだと思う。
MTPを104Wに制限してRocketのIntel標準設定よりピーク電力高くなるってことは
CPU以外も電力食いってことなのかな。
一番怪しいのはDDR5、二番目がマザーボードだと思う。
2022/10/17(Mon) 23:57 | URL | LGA774 #-[ 編集]
2022/10/18(Tue) 22:41 | URL | LGA774 #-[ 編集]
省電力・小ケースPCはそれこそミドルクラス以下を載せろってことでは。用途次第ではi5どころかi3ですら十分なわけだし
2022/10/25(Tue) 15:18 | URL | LGA774 #-[ 編集]