北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
Intel’s 2024 Arrow Lake-S desktop CPUs to feature up to 24 cores and support DDR5-6400 memory(VideoCardz)
Intel Arrow Lake CPU Roadmap Leak Reveals Core Count And A Sweet DDR5 Speed Upgrade(HotHardware)
Intel Arrow Lake-S Desktop CPU Rumored To Launch In 1H 2024, Will Feature Up To 8+16 Core SKUs On 800-Series Motherboards(WCCF Tech)
Arrow Lake-S platform returns to Intel in 2024 desktop processor product roadmap(Benchlife.info)

Intelのデスクトップ向け製品の計画はいくつか変更が行われたようだ。かつて“Meteor Lake-S”と噂されていたものは2024年上半期に登場する。そしてそれはおそらく“Arrow Lake-S”と名前を変えた。“Arrow Lake-S”はIntel 800 seriesチップセットと組み合わされる。Socketは“Meteor Lake-S”と“Arrow Lake-S”で同じLGA1851を用いる。
 
この情報筋によると、“Arrow Lake-S”は現行の“Raptor Lake-S”と同等の8 P-core + 16 E-coreのコア構成を維持する。一方、6 P-core + 16 E-coreの“Meteor Lake-S”はキャンセルされたようだ。

Intel 800 seriesチップセットは3種類で構成される。上から順にZ890, B860, H810である。従来世代のHx70型番に相当するH870はキャンセルされた。またエントリーレベルワークステーションおよび産業向けとしてW880チップセットとQ870チップセットが用意される。この2種類はどちらもIntel vPro technologyをサポートする。

“Arrow Lake-S”はDDR5に対応し、対応する速度は最大でDDR5-6400MT/sとなる。また最大48GBのモジュールに対応する。

以前の情報でもたらされたPCI-Express本数の変更は正しい。Z890は最大60のHigh speed I/O channel (HSIO) を有する。CPUから26本、PCHから34本が用意される。B860プラットフォーム全体でのHSIOは最大44本、H810は最大32本である。

CPUとPCHの接続はDMI 4.0でZ890, W880, Q870がDMI 4.0 x8、B860とH810はDMI 4.0 x4となる。

このデスクトップ向けCPUに関わる変更が、“Arrow Lake-S”が用いるとされるIntel 20Aプロセスの完成を意味するかどうかは不明である。

1月下旬の2022年第4四半期決算報告でIntelは2024年までのCPUロードマップを示した。しかし、コンシューマ向けで示されたのはMobile向けのみであり、しかもその内容は“Meteor lake”が2023年下半期、“Lunar Lake”が2024年というものであった。
その前のIntelの公式資料に確かに存在した“Arrow Lake”の名は出ず、またデスクトップ向けCPUはロードマップそのものがぼかされてしまった。

今回のBenchLife.infoの情報通りであれば、この辺りでデスクトップ向けロードマップに変更がかかっていたのだろう。

その中身であるが“Arrow Lake-S”が8 P-core + 16 E-coreというのは少し前に出ていた情報通りである。登場時期は2024年上半期である。これだけ見ると“Arrow Lake-S”が早まったように見えるが、その前に「かつて“Meteor Lake-S”として噂されていたもので、おそらくはリネームされたであろう“Arrow Lake-S”」というなかなかにして凄まじい記述がある。

かつて“Raptor Lake-S”の次の世代のCPUとして出ていた噂はこうだった。

  ・Arrow Lake-S:8 P-core + 16 E-core + 4 Xe cores (TDP125, 65 35W)
  ・Meteor Lake-S:6 P-core + 16 E-core + 4 Xe cores (TDP125, 65, 35W)
  ・Meteor Lake-S:6 P-core + 8 E-core + 4 Xe cores (TDP65, 35W)

LGA1851を用いる点やDDR5に対応する点は変わらない。そしてその後の噂では共通して“Meteor Lake-S”の6 P-core + 16 E-coreはキャンセルされたと述べており、今回の情報でもこの点は同様である。その下にある“Meteor Lake-S”の6 P-core + 8 E-coreがキャンセルされたかあるいは生きているかは割れている。一番新しい情報ではこれは生き残っているらしいが、噂レベルを出ない。今回の情報ではそもそもこの6 P-core + 8 E-coreの“Meteor Lake-S”に関する言及はないが、“Meteor Lake-S”と“Arrow Lake-S”がともにLGA1851を用いるという記述があるあたり、なんとなく生き残っている前提で話しているようにみえる。

そして問題は“Arrow Lake-S”の8 P-core + 16 E-coreである。今回の情報では“Arrow Lake-S”を名乗る8 P-core + 16 E-coreは存在し、これが2024年上半期に登場すると述べているが、その“Arrow Lake-S”そのものがなんなのかという話になる。

以前の情報では“Meteor Lake-S”はIntel 4で製造され、P-coreに“Redwood Cove”、E-coreに“Crestmont”を使用するCPUであった。そして“Arrow Lake-S”はIntel 20Aで製造され、P-coreに“Lion Cove”、E-coreに“Skymont”を使用すると言われていた。プロセスに関してはTSMC N3という話が出たり、そもそもこの世代のP-coreやE-coreのコードネームが怪しかったりするが、少なくとも“Meteor Lake”と“Arrow Lake”は別個の世代のCPUとして扱われていた。今回の情報では“Meteor Lake”と“Arrow Lake”が別個の世代のCPUであるという前提を揺らがせるものである。

“Meteor Lake”についてはMobile向けが進められていることもあり、その内容は変わっていないだろう。もしデスクトップ向けに“Meteor Lake”を何らかの形で展開するならMobile向けの6 P-core + 8 E-coreのダイを持ってくればいい。“Arrow Lake”が怪しく、一度Intel公式から名前が消え、今回の情報では“Meteor Lake-S”と呼ばれていたものが“Arrow Lake-S”である可能性を示している。かつての“Arrow Lake-S”と今回の情報の“Arrow Lake-S”は内容が異なる可能性があるわけだ。

そうなると今回の“Arrow Lake-S”が示すその中身はまるでわからない。これまで情報の通りIntel 20Aで製造される新世代のコアなのか、あるいは“Meteor Lake”のコアをそのままIntel 3あたりに持ってきたものか・・、。まさかないとは思うが“Meteor Lake”をIntel 7にバックポートしたものか。

また、今回の“Arrow Lake-S”は8 P-core + 16 E-coreであるが、言及されていない下の方は、最近の噂通り“Meteor Lake-S”の6 P-core + 8 E-coreが担うのだろうか?

いろいろと謎が増えてしまった。

とはいえ今回の情報は喜ばしい情報でもある。それはこの情報の通りであれば、形では何であれ2024年にIntelから新世代のデスクトップ向けCPUが出てくると言うことだ。それも現行の“Raptor Lake-S”と同等の8 P-core + 16 E-coreを維持して、である。ここは純粋に当たって欲しいと願う点だ。

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コメント
この記事へのコメント
194192 
個人的にはLGA1851の立ち上げを24年後半まで遅らせ
8P16EコアのArrow Lake-Sと共に説へ1票

2023/03/18(Sat) 07:40 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194193 
Meteor Lake(6+16)がキャンセル→ わかる
Arrow Lakeにリネーム→ ?
Arrow Lakeは8+16です→ ??
→ Meteor Lake(8+16)が遅延をごまかすためにArrow Lakeにリネームされた?
2023/03/18(Sat) 10:17 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194197 
Pコア8コア欲しい層のうちどのくらいの割合がEコア16コア欲しがってるんでしょう?
ハイエンドの事情がわからないです。
2023/03/18(Sat) 12:22 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194202 
Meteor→モバイル
Arrow→デスクトップ
Lunar→モバイル

今後はデスクトップとモバイルで別々になるのかな?
2023/03/18(Sat) 18:46 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194207 
しかし(新)ArrowLake-Sが20Aでないとすれば、今度は「じゃあ大拡充された20Aで一体何を作るの?」という疑問が

大穴でIntel3版ArrowLakeと20Aシュリンク版ArrowLake-Refreshが両方あったりしてね
Tick-Tockの亡霊みえるみえる……
2023/03/19(Sun) 09:09 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194208 
実使用上ぜひとも必要な人は1割もいなくて
でも買うかどうかやRyzen9とどっちを選ぶかを決める際にマルチコア性能の高さを気にしてる人は5割とかいそうな気がする

特に最上位機種って実用品の側面だけじゃなくロマンアイテムの側面も小さくないだろうし
2023/03/19(Sun) 09:56 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194209 
なるほどわからん…この辺りの情報はしばらく様子見かな
2023/03/19(Sun) 11:27 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194212 
AMD相手ならデスクトップは無理に急がないでも良いというのも、まあ分からなくもない
2023/03/19(Sun) 13:54 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194220 
翻訳が上手くいってないんじゃないの?ってくらいコロコロ変わるな
2023/03/19(Sun) 22:30 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194225 
>194212
大慌てだから急いでラインナップの整理をしているのでしょ?
"Zen4"と比較しても"Raptor-Lake"も売れてないみたいだし
"Zeb5"も今年末には出る予定なので、何らかの製品を出さないとさらに差がついてしまう
2023/03/20(Mon) 12:28 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194228 
元々言われていたスケジュールだとAlder (11m) Raptor (9m) Meteor (10m) Arrow (9m) Lunarと平均10か月間隔で5世代が出てくるという無茶苦茶さだったので、量産効果や小売店の在庫リスクを考えればMeteor-PとArrow-Sが分かれるのは当然とも思う。

今年後半にFoveros Directが量産可能になるので、vcacheやCPUダイ×2がやりやすくなるので、それ使ったものが出てきそうな気もする。
2023/03/20(Mon) 20:28 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194229 
P8のみじゃ値段を高くできないから旨味が無いし、P8+E8じゃAMDに対抗できないからP8+E16にするしか無いのよね
2023/03/20(Mon) 20:42 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194231 
>194225
去年の9月頃のロードマップによると、少なくとも今年末まではRyzen7000(Zen4)で引っ張るみたいだけど
新ソケットのスリッパとAPUは今年後半に出るらしいけど、コンシュマー向けの方は2023年末までずっとRyzen7000(X3D含む)って書いてあった
2023/03/21(Tue) 00:28 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194232 
Zen5、8950Xのみ限定出荷でもいいから発売してIntelに完勝して欲しいが追い込むとIntel CPUとマザーメーカーが更に発狂するだけか?

ArmやってもQualcommみたいにやられる可能性高いし、互換メーカーは下手な勝ち方だとしんどいな
2023/03/21(Tue) 00:48 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194241 
>>194232
Zen4→5は足回り含めて今年可能なものがあるとすればGenoa x1 + Bergamo x1のハイブリッドくらいだと思うよ。これはシネベン5k点は軽く狙えるので13900Kに圧勝できる。Arrow lake 8+16が相手だとそれでも不利だとは思うが。

それ以前の問題としてハイエンドの売れ行きが悪すぎるから無理して出すのはあり得ないと思う。噂のPhoenix2もRyzen 3の領域を強化する意図があるだろうし。
2023/03/21(Tue) 20:34 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194243 
MLIDが若干示唆しているが、
A. 8+16ダイ
B. 6+8ダイ
C. 2+8ダイ
の3パターンがあって、MTLはAがないのがほぼ確定、ARLはCがないパターンという感じ。Bが主力でノート用P, H, i3/i5の担当。MTL世代だとチップセットの問題でi3/i5も怪しいが。

あとIntelは今年後半からFoveros Directが行けるようになるので、少なくともV-Cache同等品は行けて、CPUダイ2枚組も可能になると思われる。
MTL-SにPコア8個という噂があったが、ハイエンドは同じ大きさでPコア8個とEコア24or32個のダイを作って、16P+0E、8P+24E、0P+48Eの選択が可能になるとかそんな感じのも出てきそうではある。
2023/03/21(Tue) 20:43 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194256 
>194232
AMD-x64の互換メーカーでもあるのに、立ち回りだけは上手いよな
2023/03/22(Wed) 10:26 | URL | LGA774 #-[ 編集]
194262 
本来ならデスクトップ向けMeteor Lakeが年内に発売されてDDR5の需要が伸びると予想していたのですが、
DDR5-4800 8GBx2(16GB)が6000円以下に値下りしたのも、キャンセルの影響があったんでしょうかね?

単にDDR4-3200より遅いDDR5-4800の需要が無いだけという気もしますが・・・
2023/03/22(Wed) 16:23 | URL | LGA774 #mQop/nM.[ 編集]
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