北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
AMD’s Infinity Fabric Detailed – The Innovative, Real-World Implementation of The Company’s ‘Perfect Lego’ Philosophy(WCCF Tech)
New slide on Infinity Fabric technology from AMD(Bits and Chips)

“Zen”や“Vega”を初めとする今後のAMDのIPは“modular”として作られ、複雑なシステムを簡単に構成できるようになる。この“modular”はたとえるならば“LEGOのようなもの”で、それぞれのIPをブロックのように組み合わせ、CPUやAPU、SoCを作り出すことができる。
 
“Zen”や“Vega”のような“modular”にとって重要な働きをするのがInfinity Fabricである。これはかつてのHyperTransportの後継と位置づけることもできるもので、Ryzenとともに姿を現すことになるだろう。

HyperTransportはNUMA multiprocessorシステムにおいて個々のキャッシュのコヒーレンシを実現するインターコネクトとして使用された。そして新たなInfinity FabricはHyperTransportをさらに拡張したもの、と見ることもできる。Infinity FabricはRyzen CPUだけでなくGPUである“Vega”でも用いられる。

AMDの次世代CPU/GPUに用いられるInterconnectとしてInifinity Fabricが紹介されています。2015年夏頃に次世代インターフェース・内部接続技術として“Cohernt Fabric”というものが紹介されましたが、それがこのInfinity Fabricとなりそうです。現時点ではそれほど情報が多くないものの、Infinity Fabricの特徴として完全なモジュラー化の実現と、ノートPC向けの30~50GB/s程度の帯域から“Vega”に用いられる512GB/sの帯域までスケールできることの2つが挙げられています。

Infinity Fabricに関するスライドもいくつか掲載されており、“AMD's Next-Generation Network on a Chip”と紹介されています。そしてその下には“Vega”、“Summit Ridge”、“Raven Ridge”―つまりGPU, CPU, APU全てのチップで使用されることを表しています。

以前にもCPUとコプロセッサをHyperTransportで接続する“Torrenza”という構想が2006~2007年頃に存在しましたが、大々的には広まらず収束してしまった経緯があります。Infinity Fabricが“Torrenza”の構想を形を変えてよみがえらせるもの・・・かどうかはわかりませんが、少なくともCPUとGPUをInfinity Fabricで接続することはスライドを見る限りでは実現しそうで、「IPの完全なモジュラー化」を実現すると述べている辺り、“Torrenza”の構想を十年越しでようやく実現するものになるかもしれません。

(過去の関連エントリー)
AMDの新たな内部接続技術―Coherent Fabric(2015年8月5日)

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コメント
この記事へのコメント
154728 
薄いのを剥がそうとして爪にダメージ
踏んでダメージ
歯形がいっぱい

さて、これを使って単体CPUと単体GPUの組み合わせでHSAを有効化するのかな
であれば俺得
さらにFPGAアクセラレータ投下で無限に広がる可能性だ
2017/01/19(Thu) 22:33 | URL | LGA774 #-[ 編集]
154731 
AMDはうまくいくかはともかくとして、何がしたいのかは分かりやすくていいね
2017/01/20(Fri) 08:37 | URL | LGA774 #2DdjN05.[ 編集]
154732 
誤字ちゃいますけど

> ここのキャッシュのコヒーレンシを実現

個々の~ですね
2017/01/20(Fri) 12:42 | URL | LGA774 #KfkS430g[ 編集]
154738 
無限∞構造
2017/01/21(Sat) 21:14 | URL |   #-[ 編集]
154739 
ハード間の物理接続がシステムのボトルネックになってきてるのは明白だからね
まだ詳細は分からないがPCがより高性能になる為の必須技術だろう
「スマホではできない事をやる」のがPCの存在意義だと思うから頑張ってほしい
性能面だけでなく製造面でも可能性が広がるのはいいね
メインメモリの代わりにVRAM使ったシステムとか出てきたりするんだろうかw
2017/01/22(Sun) 16:58 | URL | LGA774 #-[ 編集]
154741 
恥ずかしながら
さっぱり分かりません
2017/01/22(Sun) 19:02 | URL | LGA774 #-[ 編集]
154743 
バスの狭さはスマフォの最大の弱点であり
PCの最大の長所であるバスの広さを伸ばすのは重要
カスタマイズに融通が利きそうだから将来的にスマフォ向けの広バス帯域のSoCが登場するかも
2017/01/23(Mon) 01:44 | URL | LGA774 #-[ 編集]
154744 
>154739
とはいえ、こういうのはARMの方が先行してたりする。
最近クレイはARMでIsambardというスパコンを作ったりしていて
この3月にもイギリスに納入が終わるらしい。

たぶんAMDはプロセッサを提供するビジネススタイルから
ARMみたいにカーナビやらゲーム機やらスパコンやらスマホやら
「いつでもどこでもAMD-Powerd」的なことをやって収益を図るモデルへの
転換を目指しているのではないかな。

思えばファブを分離したのもIntelよりずいぶん早かったし、
そうしたトレンドを積極的に見極めていかないと生き残れないんだろう。
2017/01/23(Mon) 07:50 | URL | LGA774 #-[ 編集]
154746 
> 154741
・モジュール間の通信がクソ速い
・それぞれが持つキャッシュの一貫性を失わない

この二つを実現することで、設計を疎にしながら動作を密にできる。

CPUコア1個乗っけてHPC制御に使うとか、そういうカスタマイズも短期間で出来るようにしたいんじゃねえかな。
2017/01/23(Mon) 11:00 | URL | LGA774 #-[ 編集]
154755 
>CPUコア1個乗っけてHPC制御に使うとか
「GPUに」が先頭に無いと意味が通らないじゃないかw
2017/01/24(Tue) 15:18 | URL | LGA774 #-[ 編集]
155406 
インターコネクトバス的にはHTXのサブセットorスーパーセット的なものと考えていいのかなぁ・・・
2017/03/13(Mon) 16:58 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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