北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
AMD Details Renoir: The Ryzen Mobile 4000 Series 7nm APU Uncovered(AnandTech)
AMD Dishes on Ryzen Mobile 'Renoir' 4000 Series: New Ryzen 9 4900H, HS-Series Chips(Tom's Hardware)
AMD "Renoir" Die Shot Pictured(techPowerUp!)
AMD、“Renoir”ことZen 2ベースAPU「Ryzen Mobile 4000シリーズ」の概要を明らかに(Impress PC Watch / 後藤弘茂のWeekly海外ニュース)

AMDは1月のCES 2020でRyzen 4000 series Mobile APU―“Renoir”について明らかにしたが、今回Ryzen Mobile Tech Dayにおいて、“Renoir”の更なる詳細が明らかにされた。“Renoir”は7nmプロセスで製造されるMobile processorで、CPUに“Zen 2”アーキテクチャを、GPUに“Vega”アーキテクチャを採用する。
 
CES 2020で“Renoir”が大々的に明らかにされたため、今回は上位モデルとしてRyzen 9 4900H/4900HSが追加されたように錯覚してしまったが、そうではなく今回が“Renoir”のローンチで、そのローンチと同時にTDP45WのフラッグシップであるRyzen 9 4900H/4900HSが明らかにされた形となる。ローンチに伴い、CES 2020で明らかにされた以上の情報が公開されている。

Renoir (2020年3月17日)

まず“Renoir”のダイ写真である。左側に8-core分の"Zen 2" CPUコアが、右側に8 CU分の"Vega" GPUが配置されている。左上がメモリコントローラ、その右側から右側の辺にかけてI/Oが配置されている。
ダイサイズは156mm2、トランジスタ数は98億である。

○メモリコントローラ
メモリコントローラ (Unified Memory Controller, UMC) は2基。
DDR4-3200 (up to 64GB) ないしはLPDDR4X-4266 (up to 32GB) に対応。帯域は前者の場合は51.2GB/s、後者の場合は68.3GB/sに達する。
1基のUMCは64-bit幅のDRAMインターフェースをサポート。DDR4を使用する場合はそのまま接続する。LPDDR4Xの場合はUMC内部で2個の32-bit仮想チャネルに分割し、接続する。

○PCI-Express
デスクトップ向けの“Mattise”やサーバー向けの“Rome”とは異なり、PCI-Expressの世代は3.0にとどまっている。PCI-Express 3.0レーンの内訳は、dGPU向けが8レーン×1、NVMeストレージ向けが4レーン×2、そしてこれらとは別にWiFi-6や4G/5Gモデム接続用のPCI-Expressレーンが存在する。
“Renoir”とブロックダイアグラムではI/Oは青緑色で示され、左上にPCIe GPP, USB controller (USB 3.1, 3.0), NVMe/SATA, NVMe/SATA, PCIe Discrete GFXと並んでいる。

○CPUとGPU
CES 2020で明かされた部分も多いが、“Renoir”のCPUは“Zen 2”であるがMobile向けに最適化が行われている。目立つのはL3 cacheの容量でデスクトップ向けやサーバー向けは4-coreのCCXあたり16MBだったのに対し、“Renoir”は4-coreのCCXあたりのL3 cache容量が4MBとなっている。“Renoir”はMobile向けを意識したチップであるため、ダイ面積と電力消費を天秤にかけ、この容量を設定したと推定されている。4-coreで1つのCCXを形成するのは他の“Zen 2”世代のProcessorと変わらない。

GPUも既報通り“Vega”世代であるが、“Raven Ridge / Picasso”のそれから改良が施されている。“7nm Vega”というスライドにその改良点が列挙されている。

  ・Data Fabricのインターフェースを2倍に。
  ・Graphics Low power stateへの移行の最適化
  ・最大周波数を25%向上
  ・メモリ帯域を最大77%向上

結果として、Compute Unitあたりの性能はTime Spyで最大59%向上し、単精度浮動小数点演算性能 (FP32) は最大1.79TFlopsとなった。

このように眺めてみると“Renoir”はかつて無いほどに力を入れて開発され、今までAMDが弱かったノートPC向けに切り込むためのチップであることがわかる(もちろん今までの“Raven Ridge”や“Picasso”、それ以前のAPU, CPUも手を抜いていたわけではなかろうが)。そして実際に8-core/16-threadの強力なCPU、改良された強力なGPUを武器にやってきた。なかなかノートPC向けでは存在感を示せなかった印象のあるAMDだが“Renoir”がどのように変えるか見物である。

・・・ここを見ている方々はおそらく自作PCユーザーが多いであろうから、どちらかというとノートPC向けよりはデスクトップ向けの“Renoir”を待ってる方の方が多いだろうか? 今後の予定としてRyzen Mobile 4000 Proが出ることがAnandTechの最後のページに少しだけ書かれているが、デスクトップ向け“Renoir”の時期に関する言及は今のところ全くない。とはいえ、「出ない」ということは無いと思われるので、晩夏頃くらいを目安に気長に待ちたい。

(過去の関連エントリー)
Ryzen 9 4900H/4900HSが追加される(2020年3月16日)



コメント
この記事へのコメント
170968 
8コアAPUの値段はいくらになるかな
2020/03/17(Tue) 19:57 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170969 
画像見て一瞬ルノアールが死んだのかとw
2020/03/17(Tue) 20:28 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170970 
これのデスクトップ版、凄く気になるな…
15Wの8コアのノートとかも欲しくなる
2020/03/17(Tue) 20:34 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170971 
デスクトップ版は当然出るでしょ。>APU
現状では、Ryzenを使用するとグラボ必須なわけで、OEMの低価格帯デスクトップだと、グラボの分だけAMDが不利になる。

2020/03/17(Tue) 21:36 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170972 
>>170969
ルノアール ダーイ!
…じゃなーい!
2020/03/17(Tue) 22:53 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170973 
次世代CPUと同時か少し早いくらいだから4Qだよね。。。
うん、知ってる><
2020/03/17(Tue) 23:58 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170974 
Zen2ノートはよ!
2020/03/18(Wed) 00:03 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170976 
15年ほど前、Pentium Mを用いた自作PCが流行った。
同じようにRyzen Mobile対応のマザーボードが一般販売されたりしないかな。
2020/03/18(Wed) 00:36 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170977 
APU出るのは当たり前だけどrenoirベースの1ダイ統合仕様になるかはターゲット価格的にどうだろうかとは思うけど
まあAMDにあれこれ手を広げる余裕がないことに期待したい(笑)
2020/03/18(Wed) 00:37 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170978 
Vegaの次はRDNA(無印)なんだろうか?
PS5がRDNA2って聞くからスキップしないかなー。

そしたらiGPUで初レイトレ搭載とか。
…レイトレはオフィスPC向けだといらないしないか。
2020/03/18(Wed) 01:18 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170983 
RenoirとLPDDRオンボードな自作マザーとか、早めに出したらすごい売れそうなのになー
2020/03/18(Wed) 09:20 | URL | LGA774 #AIlHpmOk[ 編集]
170985 
ダイ写真を見る限りすごくきれいなレイアウトだな。AMDの力の入れようがよく分かる。
製造キャパシティに問題がなければ採用するメーカは増えるだろうな。
本気でモバイル市場を切り崩しに行く気なんだな。
2020/03/18(Wed) 10:27 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170987 
昔なら下駄を履かせてデスクトップに載せられるようにしたのが出ただろうけど、今は無理なんだろうな。
MBメーカーが絡めば可能ではあるのだろうけど。
2020/03/18(Wed) 11:07 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170989 
なんとなくだが、次のXBOXはwindowsPC化するハックがありそうな気がする
2020/03/18(Wed) 15:20 | URL |   #-[ 編集]
170992 
CPU、GPUの占める面積はざっくり半分くらいか
IO系は7nmだと耐電圧の問題があると言ってたがどうなったのかな
2020/03/18(Wed) 20:22 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170994 
170978
販売まで2年くらいかかるらしいから、RDNA2が2020末として2年足すと2022末。
その頃に出るAPUならレイトレiGPUも可能かもよ。
2020/03/18(Wed) 21:44 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170995 
170994
いらないw
ダイ面積増やすだけだしさらにいらないw
2020/03/19(Thu) 02:38 | URL | LGA774 #-[ 編集]
170996 
ノート用のRyzen 5 3500Uとかが性能に不満はないけど
抜きんでるという程でもなかったので新作に期待
2020/03/19(Thu) 05:17 | URL |   #XaFeZ25U[ 編集]
171005 
Fluid Motionが使える最後の世代になりそうですね
2020/03/19(Thu) 22:41 | URL | LGA774 #-[ 編集]
171006 
APUは来年には一気に進んで"Zen3"+"RDNA2"になりそう
PS5と"Xbox Series X"のAPUが"Zen2"+"RDNA2"であることこそが
もうお互いを一世代遅らせる理由がない程度に
CPU側もGPU側も設計&製造ノウハウの積み上げが
終わっている感じがします
2020/03/19(Thu) 23:12 | URL | LGA774 #-[ 編集]
171015 
その場合事実上コンシューマPCもほぼAPU一本に収束してしまってそれ以上の儲けを捨てるつもりか吹っ掛けるかの二択しかないように思うがなあ

そろそろHBMでCPU上にメモリを積まないと帯域が追い付かないとの声が目につきだしてきているしそのタイミングでなら決断の可能性はある気がするがそこはまだ次でというにはちょっと早いし
2020/03/20(Fri) 03:32 | URL | LGA774 #-[ 編集]
171028 
APUはRDNAだとちょっと違う気がする。RDNAでFMが解禁になるなら話は別だが、本来のコンセプトからすれば、APUはGCN→CDNAが正解だと思う。RDNAの性能が欲しければdGPU版を買うべき。
2020/03/21(Sat) 08:16 | URL | LGA774 #9zOzYU0I[ 編集]
171050 
※171028
FMって"Fluid Motion"?
だったらしばらく前のコメントでさほど使用者がいないから
"PowerDVD"側でもサポートやめた的話をしていたと思いますが…
そもAPU+"PowerDVD"で動作することが前提となっていたのに
タダ乗りが多すぎて、"CyberLink"も"AMD"も
金にならないからサポートやめっちゃったのではと邪推
2020/03/22(Sun) 21:26 | URL | LGA774 #-[ 編集]
171140 
とりあえずSpectre等にハード対策済で、パッチで性能ダウンしないZEN2なAPUは喜ばしい。

その次はHBM2搭載なAPUだね。
2020/03/26(Thu) 19:21 | URL | LGA774 #L6m4KOWY[ 編集]
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