北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
Intel "Willow Cove" Backported to 14nm is "Cypress Cove"?(techPowerUp!)
Intel Cypress Cove Leak: Rocket Lake Blasts past Comet Lake, but what about AMD Zen 3?(Moore's Low is Dead / YouTube)

Intelの第11世代デスクトップ向けCore seriesとなるであろう“Rocket Lake-S”は5年ぶりにCPUコアのIPCが引き上げられる世代となる。“Rocket Lake-S”のCPUコアは“Tiger Lake”に使われる“Willow Cove”を14nmプロセスにバックポートしたものと噂されている。

Moore's Low is Deadの動画によると、“Rocket Lake-S”のために14nmにバックポートされたコアをIntelは“Willow Cove”とは呼びたくないようで、別に“Cypress Cove”という名前がつけられている模様だ。“Willow Cove”はあくまでも10nm+で製造される“Tiger Lake”のCPUコアとして区別する模様である。
 
“Cypress Cove”は最新のCPU core IPを14nmプロセスに適用したものである。製造プロセスの違いにより、オリジナルの“Willow Cove”と“Cypress Cove”のIPCは異なるため、混乱を防ぐためIntelは内部で呼び分けを行ったとみられる。“Willow Cove”は“Skylake”比で25%のIPC向上を果たすとされるが、“Cypress Cove”はおそらくそこまでは達しないと推定されている。

“Rocket Lake-S”のCPUコアが“Tiger Lake”の“Willow Cove”をバックポートしたものであるというのはしばしば語られてきた話であるが、一時期漏れ出た“Rocket Lake-S”のキャッシュ構成は“Sunny Cove”のそれに近く、“Tiger Lake”と全く同じ“Willow Cove”ではない可能性も示唆されていた。

今回のMoore's Low is Deadの情報はそれを明瞭に述べた形である。“Rocket Lake”のCPUコアは“Cypress Cove”と呼ばれ、“Willow Cove”をそのまま14nmに持ってきたものではないようである(おそらくキャッシュ構成付近が異なるのだろうか。“Willow Cove”はL2=1.25MB/core, L3=3MB×core数という大容量のキャッシュ構成がその特徴の1つでもあるが、14nmでこれを製造しようとするとダイサイズへの影響は大きいだろう)。

それゆえ、“Willow Cove”は“Skylake”比で1.25倍のIPC向上を実現するが、“Rocket Lake”の“Cypress Cove”はそこまでは至らない模様である(それでも“Skylake”よりIPCが上がることは間違いないだろうが)。一方で、周波数は“Tiger Lake”よりも高められ、4.70GHz以上という数字が出ている。

“Rocket Lake”のiGPUについても触れられており、前々の情報通りGen 12 Xe graphicsとなるが、EU数は抑えられ、噂レベルでは32という数字が出てきている模様である。

最後に時期について、2020年第4四半期にIntelは“Rocket Lake”を投入したい模様である。

・・・何にせよ、14nmとはいえ新しいCPUコアアーキテクチャが“Rocket Lake-S”でもたらされれるのは期待して良さそうで、“Tiger Lake”の“Willow Cove”程ではないにしろ“Skylake”からのIPC向上は期待できるだろう(“Ice Lake-U/-Y”に用いられている“Sunny Cove”と同等程度のIPC向上を期待してもいいのだろうか?)。長らく“Skylake”のほとりにとどまってきたIntelだが、いよいよその湖を離れる時が近づいているのかもしれない。目指す入り江は何を見せてくれるのだろうか?



“Tiger Lake”についても触れられているので簡単に。

  ・CPUコアは10nmの“Willow Cove”(既報通り)
  ・まず夏に4-coreの製品が出る。iGPUはMX350程度の性能を目指す
  ・Boost時の周波数は“Ice Lake”のそれより高く、14nmに近い速度。
  ・IPCは“Skylake”比で20~30%増し
  ・8-coreの“Tiger Lake”を2021年第1四半期に出したいらしい

周波数についてはCore i7 1165G7が定格2.80GHzでちょこちょこ3DMark等に顔を出しているので、“Ice Lake”より上がるのは間違いない。iGPUもXe graphicsへのアーキテクチャ変更とExecution Unitの増量(最大96 EU)により性能向上を果たすだろう(ちなみに、“Rocket Lake”は“Ice Lake”のiGPUやGeForce MX 150と同程度と予想されている)。

14nmの需要逼迫は2020年後半にようやく完全に解消し、いよいよ10nmへの転換が始まると最後に書かれている。
Mobile向けが“Tiger Lake”に、2-wayサーバー向けが“Ice Lake-SP”にそれぞれ移行し10nmへの移行が本格的に始まることになるのだろう。そして、2020年中は14nmで残される4,8-way向けとデスクトップ向けも、2021年後半に前者は“Sapphire Rapids”に、後者はMobile向けもろとも“Alder Lake”に移行し、ここで10nmへの完全移行が果たされることになるのだろうか。

(過去の関連エントリー)
“Tiger Lake”と“Rocket Lake”の詳細―“Tiger Lake-H 8+1”も存在する(2020年3月29日)



コメント
この記事へのコメント
172786 
14nmへのバックポートを始めた2018年に利用できたCoveはWillowではなくSunnyだっただろうから、
WillowCoveではないのはそれほど驚くこともなさそう。

むしろSunnyCoveからWillowCoveで6%もIPCの向上があるのが意外。
以前からあったスライドではWillowではキャッシュ構造の変更ぐらいしかアピールされていなかったので
2020/06/16(Tue) 02:17 | URL | LGA774 #-[ 編集]
172790 
プロセスが同じすなわちクロックの最大値が同レベルと仮定すれば、最大8コアでipc増加が25%未満のロケットはマルチスレッドの性能がコメットに負けているということになりますね。むろんフラッグシップの製品の比較の話です。そんな馬鹿な!
2020/06/16(Tue) 03:20 | URL | LGA774 #-[ 編集]
172795 
連日ホットな記事が続きますね!

Tiger Lakeはグラフィック性能で頭1つ抜き出るプロセッサとして存在感が出そうですが、Rocket Lakeは期待感とは裏腹に実性能は靄に包まれたままなのが気になります
2020/06/16(Tue) 06:26 | URL | LGA774 #-[ 編集]
172804 
Cypressですか、HD5800も10年以上前なんですねぇ
2020/06/16(Tue) 15:07 | URL | LGA774 #-[ 編集]
172807 
icelakeにシステムクラッシュのバグが発見されたそうな。
rocketlakeは無事立ち上がってくれよ…!
2020/06/16(Tue) 19:01 | URL | LGA774 #-[ 編集]
172839 
>172790
Core i7 4790と5775Cで普通にあったけど
2020/06/17(Wed) 10:36 | URL | LGA774 #-[ 編集]
172850 
21年に10nmへ本格以降って誰が予想しただろうね
intelが初め自陣満々に順調っていってたのはなんだったのだろうか
2020/06/17(Wed) 18:59 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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