北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
以前よりAMDの未発表製品として“Van Gogh”と呼ばれるものがあることが知られている。“Van Gogh”はTDP9W前後を狙う省電力向けAPUであり、その
の構成は4-coreの“Zen 2”とRDNA 2世代のGPUで構成される。

これまで、このTDP帯を担っていたAPUは旧世代の小型ダイである。“Dali”であれば“Raven Ridge (4-core Zen CPU + 11 CU Vega GPU)”を2-core CPU + 3 CU GPUに縮小したものである。

一方、“Van Gogh”は単純な小型ダイではない。“Zen 2”世代のメインストリーム向けAPUとしては“Renoir”があるが、これは“Zen 2” CPUと“Vega” GPUの組み合わせであり、これを4-coreに縮小しても“Van Gogh”にはならない。
 
CPUは一世代前の“Zen 2”、GPUは最新の“RDNA 2”という一見すると歪な構成の“Van Gogh”であるが、“Van Gogh”で“Zen 2”とされるCPUコアはこれまでの“Zen 2”をそのまま持ってきたものではなく、“Zen 2L”と呼ばれる“Zen 2”を小型化かつ省電力化したものである。何故“Zen 2L”をわざわざ仕立てたか? それはライバルであるIntelの“Alder Lake”への対抗のためだ。“Alder Lake”はHybrid technologyを採用し高性能コアの“Golden Cove”と高効率コアの“Gracemont”を組み合わせたものとなる。デスクトップ向けではHybrid technologyの効果は未知数であるが、電力効率が重視されるMobile向けではHybrid technologyは絶大な威力を発揮する。既にARMでは当たり前となりつつ技術であり、x86でもIntelが採用したとなるといずれAMDもHybrid technologyに相当する技術を採用する必要がある。

ところが現時点ではAMDは高性能コアとして“Zen 3”や“Zen 4”を持っているものの、高効率コアに相当するコアがない。かつて有していた“Bobcat”の系譜は既に途絶えており、またこれを仮に復活させたとしても“Gracemont”に対抗できるかどうかは危うい。高効率コアと言えども“Gracemont”は“Skylake”に勝るとも劣らないIPCを有するとされるからである。

そこでAMDがとったのはこれまでの世代の“Zen”コアを省電力化・小型化する方法である。そして白羽の矢が立ったのが“Zen 2”である。4-core/CCXの“Zen 2”は8-core/CCXを基本とする“Zen 3”より小型化しやすく、かつある程度の性能を有している。“Zen 3”で取り入れられた改良を一部取り入れつつも電力効率とダイサイズ効率を高めることに重きを置いたコア、それが“Zen 2L”である。そして“Van Gogh”が“Zen 2L”を搭載する最初の製品となる。“Zen 2”をベースとする“Zen 2L”であれば、“Bobcat”の系譜をわざわざ復活させるよりも、性能を担保でき、また命令セットに大幅な手を加えずともある程度の共通性を持たせることができる。

“Van Gogh”は“Zen 2L”のみをCPUとして採用するAPUであるが、“Zen 2L”の最終目標は、AMD版Hybrid technologyの実現である。つまりメインストリームであるTDP15~45WのAPUに高効率コアとして取り込むことを考慮したコアである。“Zen 3+”の“Rembrandt”には間に合わないが、その次の“Zen 4”世代の“Phoenix”は高性能コアの“Zen 4”と高効率コアの“Zen 2L”の組み合わせが実現し、AMD版Hybrid technologyがここに完成する。

そしてその“Phoenix”のダイ写真がこれである。

Phoenix (2021年4月1日 / ぷれすこ瓦版)

左側の大きな8つのコアが“Zen 4”のコア、その横の小さなコアが“Zen 2L”のコアである。“Zen 4”の1-coreより若干大きい程度の面積で“Zen 2L”の4-core/CCXが収まっている様子がわかる。
この世代では、高性能コアである“Zen 4”ユニットと高効率コアの“Zen 2L”のユニットは分離しており、Infinity Fabricで内部接続される形となる。しかし、いずれは高効率な“Zen L”系のコアを高性能な“Zen”系コアのCCX内にとりこみ、より密接に連携を深める方向に進化するものと推定される。





・・・“Cezanne”のダイに“Renoir”のCCXをぶちこんだだけじゃねーか!
・・・GPUが未だに8 CUなのが雑い(本当は若干盛ろうと思っていたけど面倒なのでやめた)

・・・・・・でもまあ、“Van Gogh”の“Zen 2”が本当に省電力・小型化する方向に改良した“Zen 2L”みたいなものだったら夢は広がるなって。いずれAMDもHybrid technologyの導入を考えなければいけないだろうし。


コメント
この記事へのコメント
180644 
ネーミングでわろた
マジモンの焼き鳥じゃないですか!!
2021/04/01(Thu) 21:04 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180645 
世界初!big.LITTLE CPU!
これからはマルチサイズコアの時代!

8CU以上の性能を求めるゲームはクソゲー
2021/04/01(Thu) 21:06 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180646 
本当なら期待したい
そしてせっかくiGPU部分にRDNA2を採用するのなら、将来のbig core部分にバランス良くCUとInfinityCacheを配置したバリエーションを出してくれると凄く俺得ですよ?w
2021/04/01(Thu) 21:49 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180647 
intelのファブで製造されるZen4のLITTLEコアとして7 nmのぷれすこ突っ込んでくるはず。

しかしAMDの採用するHybrid technologyってintelとは斜め上に違った方向になりそうな気もするな。
2021/04/01(Thu) 21:52 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180653 
Zenアーキテクチャの拡張性の高さよ
2021/04/01(Thu) 22:44 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180656 
そういえば今日はエイプリルフールでしたね…
2021/04/01(Thu) 23:39 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180659 
armとかintelとかは無視して良いけど300gの手の平サイズPCに載る石は用意しといて欲しいねえ
今はandroid機を宛ててるけど結局モバイルでもフル機能のPCに勝るものはない
2021/04/02(Fri) 01:51 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180660 
2年後に現実になってたら責任取ってくださいね☆彡
2021/04/02(Fri) 02:08 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180666 
big.LITTLEの次はbig.MiDdLe.LITTLEだ!
とかなったりしてwww(なるわけない)
2021/04/02(Fri) 09:18 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180667 
途中まで、完全に信じて読んでたわw
画像もよく出来ていると思いますよ。
2021/04/02(Fri) 11:25 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180674 
普通に割と真剣に読んでフェニックスのダイ画像が出てきたあたりで察しました(
インテルのヘテロコアもこのくらいのダイ面積の比率だといいですねえ
2021/04/02(Fri) 15:42 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180675 
フェニックス1号
2021/04/02(Fri) 17:08 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180678 
スミマセン..何処までがマジ話で
ドコからが1日ネタなのかわかんねーっス..
2021/04/02(Fri) 18:47 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180684 
きっとAMD版hybridではbigとLITTLEがSIMDユニットを共有するんですよ。
逆襲のぶるどーざー
2021/04/02(Fri) 22:31 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180685 
>180666
Snapdragon888とかDimensity 1200はそうなってる
big(incl.FUGA).LITTLEって感じか
2021/04/02(Fri) 23:23 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180687 
エイプリル・フールネタだと読み解くヒント:
・(冒頭で)参照先リンクがない…北森さんのリーク関係記事では有り得ないこと。
・(文中で)2020/8/23の記事「“Zen 2”とRDNA 2を組み合わせた低消費電力向けの“Van Gogh”」参照。CVMLやLPDDR5への言及がない。
・(ダイ写真で)2021/1/7の記事「“Cezanne”のダイ写真がリーク」参照。
2021/04/03(Sat) 00:58 | URL | LGA774 #-[ 編集]
Zen 2LとHybrid Architecture云々、ダイ写真が嘘っぱちですね。

Zen 2 + RDNA 2のVanGoghは噂として出ていますし、
Zen 4世代のAPUがPhoenixというのもこれも噂で出ているものです(外れるかもしれませんが

とはいえこのエントリー、「こうなったら面白いな」というノリで書いているので、
嘘から出た真になったら嬉しいです。
2021/04/03(Sat) 01:20 | URL | 北森八雲 #rDgB81bs[ 編集]
180691 
Apple M1が公式発表される数日前(意味深)、2020/11にAMDのJoe Macri氏が直近でのハイブリッドプロセッサ投入を明確に否定しているんですよね(北森さんでは記事にしていなかったと思いますが、PC Gamerが初出でTom's Hardware、ExtremeTechとかが記事にしてた)。
その際、LITTLEが必要な時期=OSのスケジューラやメモリ管理等が整った時期、とも言っていたので、Arm版でなくx86版WindowsでのヘテロコアCPU稼働が市民権を得たら、ロードマップに何か出て来るんでしょう。
2021/04/03(Sat) 08:54 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180697 
LITTLEコアはIPC求めるよりも数の暴力で行こうぜ。
今のプロセスでGeodeとかK6とかシュリンクして1000コアくらい詰め込め!
2021/04/03(Sat) 15:11 | URL | LGA774 #AIlHpmOk[ 編集]
180704 
今頃になってネタだとわかった・・・
2021/04/03(Sat) 23:02 | URL | LGA774 #-[ 編集]
180706 
むしろVan Goghはそれなり以上のパワーの必要な仕事用以上のノートPC向けではなく、
教育用やエントリー向けや持ち運びを前提としたモバイル向け商品でしょう

既存のRyzenモバイルの多くはそれなりのパワーと発熱を持った物で、
11や13インチやそれ以下よりも、14・15インチ以上のフルサイズノートで使うような代物で、
それ以下のクラスにおいてはZen1ベースの物を使っているけれども、
やはりコア数とそこから来る絶対的なパワーでは劣る
Zen2コアベースならIPCも高く、コア数も最大4コア8スレッドが確保でき十分
AMD3000シリーズのように最初期のZen1モバイルチップと同程度のパワーでありながら、
圧倒的に省電力な物にできたのなら、有力な商品足りえますからね
2021/04/04(Sun) 00:06 | URL | LGA774 #slbunrlU[ 編集]
180720 
みんなもう忘れてると思うけど、Zenはarm混載
しかもダイ写真で "ここら辺がarm" っていうのを聞いたことがないし
おそらく論理合成でZenコアに透かし込まれている

AMDが作ると仮定したら big.LITTLEみたいな境界線のはっきりしたものではなく
モードの違いを利用者に意識させないようなものになるんじゃないかな
SpeedStepの延長線上にあるようなものが究極形態なのだし

……と、エイプリルフールネタにマジレスしてみる
2021/04/04(Sun) 12:37 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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