“Alder Lake-S”をベースとしたXeonは2021年第3四半期?
2021年04月17日01:33
Intel roadmap with Alder Lake-S workstation CPUs planned for Q3 2021 has been leaked(VideoCardz)
Intel Alder Lake-S Xeon Entry Workstation CPUs Leaked – Up To 16 Cores & 125W TDP For LGA 1700 Socket Based W680 Platform, Launch in Q3 2021(WCCF Tech)
intel WS(HXL@9550pro)
HXL@9550pro氏がリークした情報によると、“Alder Lake-S”をベースとしたエンターリーワークステーション向けのXeonは2021年第3四半期に登場する模様だ。つまり、“Rocket Lake-S”をベースとしたXeon W 1300 seriesは早々に“Alder Lake-S”をベースとするXeon W 1400 seriesに置き換えられてしまうことになる。
リークしたのは“Intel Workstation Product Roadmap”という資料で、2021年第1四半期から2022年第1四半期までのロードマップが記されている。
上から順にExpert WS, Meainstream WS, Entry WSの3段に分かれており、さらにExpert WSは2-way対応の“Purley Extended Refresh”から“Eagele Stream”の流れと1-wayの“Purley Refresh - 1 socket”から“Ice Lake-64L”の流れに分かれているが、今回の主題はEntry WSである。
Entry WSの2021年第1四半期時点の製品は“Rocket Lake-S”でLGA1200 socketを用い、対応チップセットはIntel W580、PCI-Express 4.0を20レーン、TDPは上から125W, 80W, 35Wで提供される。これが3月下旬にリークしたXeon W 1300 seriesである。
ところが、“Rocket Lake-S”をベースとしたXeon W 1300 seriesが現役でいられる期間は非常に短く、2021年第3四半期には次の“Alder Lake-S”(仮称Xeon W 1400 series)をベースとする製品に置き換えられてしまう。“Alder Lake-S”の構成は基本的にはデスクトップ向けのそれと同様で、SocketはLGA1700、最大16-core(8+8-core)、PCI-Expressは20レーン、TDPは125Wの“K”とともに65Wと35Wのものが用意される。デスクトップ向けではTDP125Wの高性能製品には“K”の倍率ロックフリーを示す文字が付けられていたが、“Alder Lake-S”世代ではXeon W 1400 seriesにおいてもTDP125Wの高性能モデルには“K”の文字が付記される模様である。対応チップセットはW680となるようだ。
そしてやや隠れてしまっているが“Alder Lake-S”の8+8はWW35'21~、6+0はWW41'21~とある。2021年第35週は8月29日の週、第41週は10月10日の週となる。つまり早ければ今年の初秋くらいに“Alder Lake-S”をベースとしたエントリーワークステーション向けXeonが出てきてしまうことになる。
そして通例、エントリーワークステーション向けXeonよりもコンシューマデスクトップ向けの方が早く登場するため、“Alder Lake-S”ことCore i 12000 seriesは早ければ晩夏に出てきてしまう可能性があり、“Rocket Lake-S”―Core i 11000 seriesが最新製品でいられる期間は半年に満たないという事態に陥る。DDR4メモリを生かしたい層にある程度“Rocket Lake-S”の需要が残るかもしれないが、“Alder Lake-S”の対応メモリがDDR5/DDR4両対応という噂もあり、これが当たって“Alder Lake-S”対応でかつDDR4対応等というマザーが出てきてしまうと、DDR4メモリを生かしたい層にも“Rocket Lake-S”は響かなくなってしまう
(初代Core2 Duoこと“Conroe”が出る前に出てきた2代目Pentium Dこと“Presler”並みかそれ以上に不遇な子になるフラグが・・・)。
上の方についても見ていきたい。
Expert WSはLGA3647その後継のLGA4189やLGA4677を用いるXeonである。2-way向けのはXeon SPそのままであるが、“Cascade Lake Refresh”から“Ice Lake-SP”を挟まず直接2021年第4四半期に“Sapphire Rapids”に移行する。
1-way向けの製品というのはXeon W 3000 seriesである。現在は“Cascade Lake”をベースとしたXeon W 3200 seriesが投入されている。2021年第2四半期には“Ice Lake”をベースとしたXeon W 3300 seriesに切り替わる。Xeon W 3300 seriesは最大38-core/76-thread, L3=57MBまでの製品が供給される。メモリはXeon SP同様8ch DDR4-3200まで対応、I/OとしてPCI-Express 4.0を64レーン備える。周波数は最大4.00GHzとなるようだ。以下がXeon W 3200とXeon W 3300の比較である。
| Xeon W 3200 | Xeon W 3300 |
CPU core | Cascade Lake | Ice Lake |
最大コア・スレッド数 | 28-core/56-thread | 38-core/76-thread |
最大L3 cache容量 | 38.5MB | 57MB |
最大周波数 | 4.40GHz | 4.00GHz |
PCI-Express I/O | PCI-Expres 3.0 x64 lanes | PCI-Express 4.0 x64 lanes |
対応メモリ | 6ch DDR4-2933, ECC, up to 1.5TB | 8ch DDR4-3200, ECC, up to 4TB |
命令セット | AVX, AVX2, AVX512 VNNI | AVX, AVX2, AVX512 VNNI, GNA 2.0 |
最後に真ん中のMainstream WSであるがLGA2066を用いているXeon W 2000 seriesである。これは“Glacier Falls”―つまり現行の“Cascade Lake”をベースとする製品のまま
放置据え置かれるようで、少なくとも2022年第1四半期までの期間にXeon W 2000 seriesの更新はない模様である。LGA2066はCore Xでも用いられているSocketであるが、同SocketのXeon W 2000 seriesに新製品が予定されていないとなるとCore Xの投入もあまり望めなさそうである。少なくとも“Ice Lake”ベースのXeon W 2000 seriesやCore Xは期待できなさそうである(Threadripperの相手はXeon W 3000 seriesで、という方向になったのかもしれない)。
■■■まとめ■■■- Xeon W 1000 seriesは現在“Rocket Lake-S”ベースのXeon W 1300 seriesが担っているが、2021年第3四半期に早くも“Alder Lake-S”ベースのXeon W 1400 seriesが登場する
- “Alder Lake-S”ベースのXeon W 1400 seriesの構成はデスクトップ向け“Alder Lake-S”と同様。SocketはLGA1700でこれも同じ。
- Xeon W 3000 seriesは“Cascade Lake”ベースのXeon W 3200の後継として“Ice Lake”ベースのXeon W 3300 seriesが2021年第2四半期に予定されている
- “Ice Lake”ベースのXeon W 3300 seriesではコア数の増加(28-core→38-core)、PCI-Express 4.0への対応、メモリチャネル数の増加、命令セットの追加が行われる
- Xeon W 2000 seriesは当分“Cascade Lake”ベースの現行製品のまま据え置かれ、少なくとも2022年第1四半期までの期間に新製品の投入予定はない
(過去の関連エントリー)
“Rocket Lake-S”をベースとしたXeon W-1300 seriesが予定されている模様(2021年3月24日)
カテゴリ : Intel(CPU他全般)
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