北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
AMD's Ryzen 3D V-Cache Chips Have Been in Development For Years(Tom's Hardware)
AMD 3D V-Cache Technology In Development for Years, Seen in Ryzen 9 5950X Sample(WCCF Tech)
Yuzo Fukuzaki TechInsights - Senior Technology Fellow 4日前(LinkdIn)
(参考)
COMPUTEXで発表した積層技術3D V-Cacheは性能向上と歩留まりを改善する新兵器 AMD CPUロードマップ(ASCII.jp)
AMDの「3D V-Cache」とは何か? TSMCのSoIC技術から正体を考察する(マイナビニュース)

5月末のComputex 2021でAMDは3D V-cacheを搭載したRyzenの試作品を披露した。積層される3D V-cacheは7nmプロセスで製造される約6×6mmのダイである。Core Complex Die (CCD) あたり64MBの3D V-cacheが搭載され、CCDが元々持っている32MBと合わせると合計で96MBとなり、2つのCCDを搭載するRyzen 9 5950X / Ryzen 9 5900Xの場合はProcessor全体のL3 cache容量は192MBに達する(現行のRyzen 9 5950X / Ryzen 9 5900XのL3 cache容量は合計64MB)。
3D V-cacheは“Zen 3”のCCDに直接Hybrid bondingを用いて積層され、帯域は2TB/sに達する。
 
そしてこの3D V-cacheが搭載されたRyzen 9 5950Xの試作品は既存のRyzen 9 5950Xと同じものである。Lisa Su氏は3D V-cacheはThorough Silicon Via (TSV) を用いると説明した。そして現行のRyzen 9 5950Xを解析したところ、TSVを用いて積層するための設計が既に施されていた。現行製品ではTSVそのものはなく準備のための空きスペース―Keep Out Zone (KOZ) となっている。

一言で言ってしまうと既に現在の“Zen 3”世代のCore Cmplex Die (CCD) は3D V-cacheのための準備が施された状態であるという話だ。接続に用いるためのスペース(KOZ)が用意されており、TSVを埋め込めるようになっている。
CCDのL3 cacheの領域にそのスペースがあり、1つのKOZが6.2×5.3μm、これが17μm間隔で配置されており、推定されるTSVの数は約23000と算出されている。その該当する部分を拡大した写真も掲載されている。

また3D V-cacheの概要を示した断面図もあり、積層されるキャッシュとCCDの間はBnding構造(TSMCではこの構造をSoIC Bondと呼んでいる模様)があり、そのBonding構造の真下にTSVが位置し、CCDを貫通している。

改めて3D V-cacheが発表されたときの記事を見返したところ、“Zen 3”のCCDは設計当初から積層を想定して設計されているのではないかという考察がなされていた。今回は実際のダイを解析することにより、それが証明された形となる。

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コメント
この記事へのコメント
183231 
cacheがGB単位になる日も近そう
2021/08/09(Mon) 01:05 | URL | LGA774 #GLvzFY/o[ 編集]
183233 
準備OKということかな
zen3+は予定通り年末リリースか
2021/08/09(Mon) 05:20 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183235 
「ZEN3」に「3D V-cache」搭載の『ZEN3+』でAM5の幕開けかな?
3D V-cache搭載で済むなら、将来に備えて微細化の開発リソースを確保できるし
2021/08/09(Mon) 08:04 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183239 
だろうね
ユーザーが殻割りしてリフローしたり出来る物ではないからこちらとしては同じことだが
2021/08/09(Mon) 10:11 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183241 
>183235
AMDのAM5(DDR5対応)は2022年末のZen4世代なので
この製品はあくまでAM4の最終製品であって、AM5ではないのでは?
それともAM5が早まった話が出ましたっけ?
2021/08/09(Mon) 10:41 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183245 
どうせならAM4の最後に出して欲しかったな。
2021/08/09(Mon) 12:43 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183247 
平均15%の向上はCPUクロックで言うと4.9GHz→5.7GHzになるようなものだから、+1~2万ぐらいになりそう。
CPUダイのキャッシュを16MBに減らして、V-Cacheの積層数でグレード分けすれば良品率も上がりそう。
2021/08/09(Mon) 13:47 | URL | LGA774 #oyV.6EWY[ 編集]
183249 
SRAMのままだとマイナビの記事にあるように、1枚で32MB2枚追加で+64MB、合計96MBってのは妥当で大幅には増やせない。
これで成功したら、次はSTT-MRAM等の次世代メモリが待ってる。
不揮発なうえに、GBクラスのキャッシュ容量実現できるよ。
2021/08/09(Mon) 14:25 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183250 
なんというサイレント舐めプ
2021/08/09(Mon) 14:48 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183252 
ZEN3+はAM4の最後な気がするけどなぁ
ZEN4でAM5移行じゃない?
2021/08/09(Mon) 16:41 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183256 
なんかもうキャッシュだけでWindowsXPが動きそうなくらい多い…
ここ数年は本当にワクワクしますね
2021/08/09(Mon) 20:34 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183257 
3d nandは8000層とか可能らしいけど
3d v cacheの限界はどの辺なんだろう
いずれメインメモリが無くなるんだろうか
2021/08/09(Mon) 21:48 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183259 
AM5はZEN4でしょ
2021/08/09(Mon) 23:54 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183260 
>3D V-cache搭載で済むなら、将来に備えて微細化の開発リソースを確保できるし

日本語でおk?
2021/08/10(Tue) 06:43 | URL | LGA774 #1wIl0x2Y[ 編集]
183266 
>183235
AM4のままじゃないかなあ。AM5に移行するにはDDR5対応等のため恐らくI/Oチップ(cIOD)を変えなきゃならないけど、DDR5やPCIExpress5.0の状況を考えると急がなくていい気がする。
それに、RadeonのInfinityCacheと同じ理屈で、3D V-cacheによりDDR4でもDDR5に匹敵する実効速度になるかもしれんし。
2021/08/10(Tue) 20:48 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183273 
最初から、3D V-cache載ってたらAMD神といいたいところだけど。

うーん。5900X使いの自分は、見送りかな?

cacheの増大だから、伸び幅は、処理によって差が出そう。
2021/08/11(Wed) 13:08 | URL | のじろ #-[ 編集]
183281 
"AMDも実は導入準備済でした"とくれば
当然Appleもやってそう
2021/08/11(Wed) 20:45 | URL | 匿名 #-[ 編集]
183312 
>183266
L3キャッシュを増やしてもGPU性能upは期待出来ないぞ。

4x50Gから5x00GでL3キャシュが倍増したのに、iGPUベンチマークは殆ど変わってない。

それにL3キャッシュ増量がGPU性能アップに貢献するなら、わざわざInfinityCacheを別途追加する必要も無いし。
2021/08/13(Fri) 19:45 | URL | LGA774 #L6m4KOWY[ 編集]
183315 
>183312
現状の設計ではGPU性能upが期待できないのかも知れないけど、
これだけ容量が増加するなら、iGPUの性能向上に繋がる新たな仕組みを用意してもおかしくはないのでは?
メモリ帯域幅で性能上限が決まるiGPUにとって3D V-cacheはとても魅力的。使用出来ればCPU以上の性能向上は間違いない。
2021/08/14(Sat) 05:36 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183323 
>183312
Cezanneのブロック図を見ると、L3はZEN3コア直結だしVegaのCUとは共有されてなさそう。
Warholが3D-V cache対応のことなら、183315の言うようにRembrandtでRDNA2 CUとL3共有はあり得るかも。
2021/08/14(Sat) 21:23 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183327 
AMDはComputex 2021において、“Zen 3”アーキテクチャに3次元積層技術を用いた製品を今年中に生産開始することを発表した。
3D V-cacheにより1080pゲーミングの性能が平均で15%の向上すると説明した。この15%という数字は、CPUのアーキテクチャが更新された、ないしはプロセスが進歩した、あるいはその両方によってなしえる数字である。しかし今回AMDは同じ“Zen 3”でかつ製造プロセスも同じ7nmながら、3D V-cacheという新しい技術により15%の性能向上をなしえたことになる。
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-10943.html

ZEN4までまだ1年あるし、繋ぎでZEN3refreshで出すんでしょ。
2021/08/15(Sun) 14:07 | URL | LGA774 #-[ 編集]
183340 
Sandyなんか出してもメーカーに何のメリットも無いむしろ損失
2021/08/18(Wed) 19:44 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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