北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
Intel Charts Course to Trillion-Transistor Chips: 2D Transistor Materials, 3D Packaging Research(Tom's Hardware)
Intel Research Fuels Moore's Law and Paves the Way to a Trillion Transistors by 2030(techPowerUp!)
68th Annual IEEE International Electron Devices Meeting(Intel)
Intel、2030年までに1パッケージに1兆トランジスタ実現へ(Impress PC Watch)

IntelはIEDM 2022で9つの研究論文をリリースし、同社の将来のチップ設計や展望を示した。そして2030年までに1兆以上のトランジスタを集積したProcessorの開発を行うとした。

研究内容は多岐にわたりトランジスタのための2D材料、新しい3次元パッケージング技術などが上げられる。3次元パッケージング技術についてはchipletとSingle-die processorにある性能と距離のギャップをより小さくし、無視できるレベルへ淘汰することを目指す。その他にも電力が遮断されても「忘れない」トランジスタの開発、トランジスタの上に直接積層できる組み込み向けメモリなど広い分野にわたる。
 
内容はかなり専門的で、私自身の知識では到底ついて行けないレベルである。Intelの研究発表の場なので当然だろう。

思い切り雑に一言でまとめると、Intelは今後もトランジスタ密度の向上の手を緩めると気は全くないと言うことだ。製造プロセスについてはこれまでの情報通りIntel 4, Intel 3、Gate All Aroundが導入されるIntel 20A, Intel 18Aの名前が見られる。

3次元積層技術もより発達させる。Intelの資料に'Quasi-Monolithic Chips' (QMC) 3D packaging technologyという言葉が出てくる。QMCの目標は、Single-dieとほぼ同等のinterconnectを実現することだ。その一例として新たなHybrid bonding技術が上げられており、2021年の10μpitchから3μpitchに縮小している。この時点で10倍の向上であるが、Intelは数年で100倍の向上を目指す道筋を立てているようだ。

トランジスタの2D材料~はどうやらトランジスタの構造にかかわるもののようだ。"Enabling the engineering of contacts to 2D channel materials"と題されているスライドで紹介されている。中央にはRibbonFETとして紹介されたIntel 20A, 18Aで採用される予定の構造図が描かれている。文字通りリボン状の形状をしたトランジスタチャネルが複数重なったような構造をしている。これを実現するための材料を研究している・・・ということだろうか。

・・・と、私の拙い知識ではこの程度。詳しい方は是非とも紹介元の記事を読んで欲しい。
IEDM 2022は12月3日から7日の日程で行われるもようだ。どこかで日本語の解説記事が出ることを期待したい。



(追記:2022年12月6日23時54分)
Intel Ahead of Schedule: 20 Angstrom Process To Enter Risk Production By 1H 2024, 18A Ready By 2H 2024(WCCF Tech)

こちらは割とわかりやすい話。Intelの製造プロセスの時期的な話である。
現行のプロセスはIntel 7だが、今後EUVを適用したIntel 4とその改良型のIntel 3、RibbonFETを採用したIntel 20Aとその改良型のIntel 18Aが控えている。

Intel 4は現在リスク生産が行われている段階で、このIntel 4を採用した“Meteor Lake”は2023年のどこかの段階で出てくるだろうと推定されている。
次のIntel 3はスライドを見る限りは2023年下半期にリスク生産開始のようである。Intel 3を使用する製品としてはサーバー向けの“Granite Ridge”や“Sierra Forest”がある。

その次のIntel 20Aはトランジスタ構造がこれまでのFinFETからRibbonFETに変更される世代である。そしてそのIntel 20Aは2024年上半期にリスク生産の開始が予定されている。Intel 20Aを採用する製品として“Arrow Lake”が描かれている。
次のIntel 18Aは2024年下半期にリスク生産が開始される模様だ。

これを見るとIntel 4→Intel 3とIntel 20A→Intel 18Aの開発は並行して行われているように見える。そしてどちらかというと改良型のIntel 3やIntel 18Aが広く使われるプロセスとなるようだ。過去にもファウンダリ事業として展開するプロセスはIntel 3とIntel 18Aという話があったように記憶している。Intel 4やIntel 20Aはその世代の初期型という位置づけになるのかもしれない。

しかしまずは来年のIntel 4である。完成した“Meteor Lake”の姿を是非とも見せて欲しい。


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コメント
この記事へのコメント
192244 
研究開発は大いに結構だけど、きちんとスケジュール通りに製品をリリースしてください
Royal Coreとか絵に描いた餅で終わらないことを切に願う
2022/12/05(Mon) 02:45 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192245 
パッケージング(後工程)がアツい!

SamsungもGDDR6WでPCB使わない実装出してきて
微細化に頼らないムーアが大きな存在となってきた
2022/12/05(Mon) 03:31 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192249 
1兆個はいいけどその使い道がEコアひたすら増やすっていうのはやめて欲しい
2022/12/05(Mon) 11:38 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192252 
>電力が遮断されても「忘れない」トランジスタの開発

これってReRAMやMRAMをL2とかにって話かな
それとも新規に開発なんだろうか

DRAMに対してのキャッシュとしてだとするとそれってどの程度の効果があるのだろう

この先も倍々で早くなるPCIeならNVMe SSD上のスワップから読んでも十分早いようなな気もするが
2022/12/05(Mon) 12:40 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192257 
シリコンに代わる新素材の登場を期待してます
2022/12/05(Mon) 20:35 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192258 
>電力が遮断されても「忘れない」トランジスタの開発
10年以上前から発想はあるけど実用的な速度では実現されていないですねぇ
2022/12/05(Mon) 20:40 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192259 
2D channel materials というのは、構造ではなく2次元の半導体材料のことを指してます。
リボン上の薄いトランジスタにすると究極的には厚さが原子1個の2次元状になってしまうので、その状態でも半導体として働く材料が必要になります。

まぁこの辺は回路設計者でも知らなくていいような話なので、2030年まではプロセス進化するという理解だけで良いと思います。
ただし、半導体に関わる者からしてもその10年先の2040年は全く見えてません。
2022/12/05(Mon) 20:50 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192260 
2D channel 辺りは数年前の解説のnmを20A, 18Aに読み替えればOK
2022/12/05(Mon) 21:12 | URL | 桜茶 #-[ 編集]
192261 
>>192252
次世代不揮発性メモリとされてるものとフラッシュだと遅延や耐久性が全然違うので、通信速度がいくら速くなってもフラッシュ使えばそれでいいということにはならないですね(だから開発が進められている)。
2022/12/05(Mon) 21:28 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192262 
巨悪TSCM帝国に最後の希望ブルーチームが立ち向かう
こんな未来を誰が予測しえただろうかw
2022/12/05(Mon) 22:43 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192263 
5-10年後と言ってるから、いくつかは実現するしいくつかは失敗するだろう。
ただ、トランジスタのコストが下がる系の話はひとつもない件。
2022/12/05(Mon) 23:05 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192264 
インテルは昔光CPUを研究して
将来的には10GHz達成すると言っていましたね
2022/12/05(Mon) 23:06 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192267 
パッケージング以外では特に新しい話は無いような
2022/12/06(Tue) 00:54 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192269 
2D materials(二次元物質)はグラフェンとか二硫化モリブデン(MoS2)とかのことですね。
これらは自由電子の見かけの重さが0になって移動度が大きいのでトランジスタを作れれば究極的に小さくしても十分なon-off比と電流がとれるはず、とか何とか言う話ではないかと。
自分も良くはわかってないけど
2022/12/06(Tue) 03:47 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192270 
DDR4-2666からDDR5-6000に変わった近年。
メモリ性能が2倍になっても
実効1.4倍もCPU性能上がらないムーアの現実。
2022/12/06(Tue) 06:26 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192273 New Device
MEMOって, アイデアの中にはいってますかね
2022/12/06(Tue) 09:37 | URL | Takeshi OTOFUJI #-[ 編集]
192279 
>>192252
DRAMでもL2、L3キャッシュに使うには絶望的に遅いので、SRAM並に早いが、不揮発性ってことだと思う。
そんなもの開発できたら革命的だが代償として実装面積が現在のSRAMよりも大きいとかが現実になったらありそうなところ。

だがDRAMは揮発性だからなぁ。途中に不揮発性のメモリ挟まっても使えるのかしらん。
本当は次世代Optaneだったりしてね。
2022/12/06(Tue) 19:56 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192433 
>巨悪TSCM帝国に最後の希望ブルーチームが立ち向かう
>こんな未来を誰が予測しえただろうかw

当時から 「Intelが許されるのは7nmまでだよねw」 っていう予想も普通にあったし
AMDも他人事では済まない事態だから、負債覚悟でFabを切り離したのでしょう
そして 「TSMC帝国に立ち向かうどころか、追いかける事すらままならない」 と判断したIntelは早々に独自の単位を立ち上げた・・・
2022/12/11(Sun) 20:47 | URL | LGA774 #-[ 編集]
192450 
層状構造を持つ物質の電子雲が低次元かどうかが大切。
2022/12/12(Mon) 22:17 | URL | 桜茶 #-[ 編集]
192459 
昔、Phenom ~ Bulldozer でAMDの方がトランジスタ数多かった頃
Intelは 「無駄にトランジスタ数が多くても意味がない」 みたいに茶化してた気が。。。
2022/12/13(Tue) 22:02 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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