北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
Intel Xeon CPU Rumors: Sierra Forest In 2024 Aiming For 334+ Cores, Granite Rapids-SP Up To 132, Granite Rapids-WS Up To 86 Cores(WCCF Tech)
Intel 2024 Xeon Leak: 512 Core Sierra Forest, 128 Core Granite Rapids, Redwood+ Cove HEDT(Moore's Law Is Dead)

Moore's Law Is Deadが次世代のXeon―“Granite Rapids-SP”や“Granite Rapids-WS”、“Sierra Forest”について紹介している。
“Granite Rapids-SP/-WS”はPerformance Coreを用いたXeonであるが、“Serra Forest”はEfficent Coreを用い、高密度化を実現した製品である。


動画に沿って見ていきたい。
 


◇“Sierra Forest”

3分17秒頃から。

少なくとも344-coreになる模様。この場合は、86-coreのtileが4 tileで344-coreとなるらしい。
また132-core/tile×4で528-coreの設計もあるらしい。1-tileあたり1 cluster (=4-core) を無効化し128-core/tile×4の512-coreが考えられている模様。

Efficent Core (E-core) はこれまで4-coreで1クラスタを形成しているが、“Sierra Forest”でもこの構成は変わらないようである。

“Sierra Forest”は“Granite Rapids”と同様にIntel 3で製造される(公式ロードマップで公開済み)。おそらくベースとなるのは“Meteor Lake”のコアで、Peformance Core (P-core) は“Redwood Cove”、E-coreは“Crestmont”である。

“Sierra Forest”に用いられるのはおそらく“Crestmont”であるが、その性能はHyperThreading technologyをOffにした“Ice Lake”と同等となる可能性があるよう。

・・・なんとなく“Silvermont”を集積したXeon Phiを思い出さなくもない。



◇“Granite Rapids-SP”

7分54秒頃から。

第6世代Xeon Scalable Processorとなる見込み。製造プロセスは前述したとおりIntel 3。

最大構成は44-coreのCompute tileが3つで構成された132-coreである。しかし製品では1-tileあたり1~2-coreほどを無効化した128-coreが最大コア数の製品となる。

“Sapphire Rapids”と異なり(?)、Compute tileあたりのコア数を統一する必要はないらしい

ベースとなるCPUコアは“Redwood+ Cove”と呼ばれる。“Meteor Lake”で使用される“Redwood Cove”からIPCを引き上げたものとなる。“Redwood Cove”もまた、現行の“Raptor Cove”から15~25%のIPC向上を見込む。

またIntel 3で製造されるCompute tileに加え、Intel 7で製造されるI/O dieが2つ使用される。

大まかな想像図が11分16秒頃に出てくる。

44-coreの“Redwood+ Cove”を搭載したCompute tileが3つ。端に6ch DDR5メモリコントローラとPCI-Express 5.0、CXL Gen 2、Next Gen PFRを搭載したI/O dieが2つ搭載されている。PCI-Express 5.0の本数は不明だが、メモリコントローラは1つのI/O dieに6ch分が搭載されているので、合計で12ch DDR5への対応となる。

“Sapphire Rapids-HBM”の後継となる“Granite Rapids-HBM”とも呼ぶべきHBM搭載版も計画されているらしい。

ローンチ予定時期は2024年上半期。



◇“Granite Rapids-WS”

最大構成は86-coreとなる。ものとしてはCompute tileを2ダイとし、それぞれのCompute tileから1-coreを無効化し43-core×2で86-coreを実現する。

I/O dieも1ダイに削減され6ch DDR5までの対応となる。明言はされていないがおそらくPCI-Express 5.0の本数も半減されるだろう。

周波数についてはまだ時期尚早ではあるものの、IntelとしてはBoost時周波数5GHz以上を達成したいようである。



◇“Diamond Rapids”

“Granite Rapids”の次の世代として紹介されている。Intelはこの“Diamond Rapids”でPerformance-per-socketのリーダーシップを取り戻したいと考えている模様。そして大幅なコアの改良が行われるのがこの世代となるらしい。

製造プロセスは明記されていないもののIntel 18Aと推定される(Intel 18AにFuture Xeonの記載がある)。

時期にもよるが、“Diamond Rapids”のベースとなりそうなコアは“Arrow Lake”のP-core(もしくはその改良版)か“Lunar Lake”のP-coreだろう。“Arrow Lake”については“Alder Lake”や“Raptor Lake”の延長線にあるが、“Lunar Lake”は一から設計された新しいコアになると言われている。

“Diamond Rapids”が「大幅なコアの改良を行い、Performance-per-socketのリーダーシップを取り戻す」ものであるなら、ベースとなるコアは“Lunar Lake”のP-coreかもしれない(あくまでも個人的な予想。Moore's Law Is Deadはここまで突っ込んだことは言っていない)



◇その他

14分20秒頃から。

“Sapphire Rapids”の遅れはとりあえず10nmプロセス(Intel 7)が原因ではない模様。10nmプロセスは“Tiger Lake”の10nm SuperFinの世代から良好なイールドを得られていた。

“Sapphire Rapids”がバグ修正のため多数のSteppingが刻まれることになったのはIgor's Labsの指摘通り。

“Meteor Lake”もイールドの問題を抱えているが、Intel 4に起因するものか、それともパッケージングで問題が起きているのかは不明。



“Sapphire Rapids”のXCCはそれぞれのtileにCPUコアとI/Oを備えるいわば初代EPYCに近い構成であった。

次々世代の“Granite Rapids”ではCPUコアを搭載するCompute tileとI/Oを担うI/O dieが分離する。Compute tileは44-core構成で最大3 tileまで、I/O dieは2ダイまで搭載でき、これらを増減させることでサーバー向けからワークステーション向け(ひょっとしたらハイエンドデスクトップ向けも?)の多彩なSKUをカバーすることになるのだろう。

最後に第5世代Xeon Scalable Processorとなる“Emerald Rapids”だが2023~2024年のどこかで中継ぎ的に投入され、また“Sapphire Rapids”のようにXeonの全SKUをカバーするものではないらしい。以前にも“Emerald Rapids”は1, 2-way向けに限定されるという話が出ており、立ち位置としては“Cascade Lake Refresh”に近いのかもしれない。最大コア数も64-coreと“Sapphire Rapids”からのコア数増はわずかである。

第5世代Core processorである“Broadwell”が割と不遇な世代であったことはご存じかもしれないが、第5世代Xeon Scalable Processorとなる“Emerald Rapids”も割と不遇な世代になりそうである(Intelの第5世代Processor familyは不遇になる呪いでもかかってるのだろうか)

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コメント
この記事へのコメント
193280 
Pentiumも後に大成功を収めたけど全数リコール経験してるしなあ
2023/01/22(Sun) 06:34 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193291 
Gracemont≒Skylake
Crestmont≒Ice Lake

Eコアも順当に進化してて何より
2~3年前までは主力級だった性能がもうAtom呼ばわりされそうなのを見てると、最近の進化の凄さが伝わる
2023/01/22(Sun) 19:33 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193294 
てっきりタイル数を増やすのかと思ったけど
1タイルあたりのコア数を増やす方向で来たか
キャッシュがかなり場所を食いそうだけどサイズはどうなるやら
2023/01/22(Sun) 20:50 | URL | LGA774 #wLMIWoss[ 編集]
193301 
>193294 
個々の不良コアをdisableにすればダイが大きくてもイールドにはさほど影響ないのでは
2023/01/23(Mon) 09:01 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193302 
Xeonで出すということは、EコアにもAVX-512が付くようになるの?
2023/01/23(Mon) 12:59 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193306 
まぁ10nmに問題があるとしたらIce Lake-SPなんて出てないだろうから、Sapphireが遅れたのは単純に設計の問題だろうね

Graniteは設計チームとの連携を改善したらしいから、順調とのこと
まぁ今はこれに期待するしかないね
2023/01/23(Mon) 17:53 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193312 
>>193301
コアの無効化は前からやってる、
大型ダイは足周りとか替えが効かない所に不良あったら、コアが全部生きていても捨てることになるから無駄が多い。
2023/01/23(Mon) 20:23 | URL | LGA774 #mQop/nM.[ 編集]
193317 
Eコアがicelake相当って性能なのかIPCなのか
もしIPCだったら凄いですね
2023/01/23(Mon) 21:57 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193318 
Sierra Forestが大方のサーバユーザーの欲しかったCPUだと思うんだけど、
1ソケット344-coreはやりすぎな気がする…I/O足りるのかなこれ。
2023/01/24(Tue) 00:32 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193321 
>193312
>大型ダイは足周りとか替えが効かない所に不良あったら

それもあってI/Oを分離して別ダイにするんかね
ロジック部分以外は微細化の恩恵が薄いからというのもあるだろうが

I/Oがどれくらいスペース食ってたかわからないけど
コア数が増えても意外とサイズはそう大きくならないのかも?
2023/01/24(Tue) 07:35 | URL | LGA774 #wLMIWoss[ 編集]
193323 
344コアって公称TDPも1000Wぐらい?
それとも998Wでユーザーが錯覚するのを狙うのかな
2023/01/24(Tue) 09:48 | URL | 名無しです #-[ 編集]
193325 
>193318
Eコアだから344コアといってもクラスタ数でいえば86クラスタなんで
Zen4 Bergamoの128コアとか考えると「やりすぎ」ってことはないんじゃない?

Zen5で128からもっと増える可能性も考慮すると
Sierra Forestが最大512コア(128クラスタ)も想定しているというのはわりと妥当な気もする
2023/01/24(Tue) 13:29 | URL | LGA774 #wLMIWoss[ 編集]
193328 
Sierra Forestの344コアは、100%生かせるならIcelake-SP (Zen2 Rome)の約256コア分に相当する性能と言う勘定になる。

仮にGracemontで344コアをやった場合、全コア2.0 GHzで430W、Zen2 Romeの4倍の性能が理論ピーク値ということになるが、Intel3での製造となると300W未満まで抑えられそうではある。

Genoa世代のEPYC 9654と同等の電力で2倍の性能となるが、Bergamoがどうなってるかという感じはある。
2023/01/24(Tue) 20:27 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193329 
(Intelの第5世代Processor familyは不遇になる呪いでもかかってるのだろうか)

486の次は586にならずPentiumになった

PentiumはP5→P54C→P54CS→P55Cの4世代でPentiumⅡに

PentiumⅡ/Ⅲ XeonはDrake→Tanner→Cascades→Tualatinの4世代でPentium4 Xeonに

Pentium4(Dは除く)はWillamette→Northwood→Prescott→CederMillの4世代で終わり

Pentium4の次はPentium5にならずCoreになった

Xeon E5,E7はv4まで代を重ねた後XeonSPになった


…確かに第5世代の呪いはありそうだな


第4世代まで来たXeonSPはジンクスを乗り越えられるか?
2023/01/24(Tue) 20:33 | URL | 物知り #-[ 編集]
193330 
>193329
CedarMillって第5世代じゃないの?
第4世代はPrescott-2Mのはず
2023/01/25(Wed) 00:17 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193355 
Pentium Proが無かったことになっているのは置いておいて…
Pen4, Core, Core iなどブランド名を変える時ってアーキテクチャも大きく変わることが多かったと思うんだけど、Xeon scalableって大して変わらなかった印象が。(Xeon E3がなくなったけど、デスクトップCPU転用をやめただけ)
5世代の呪いがあるのなら、マーケティング的に中だるみが出るのかもね。
2023/01/27(Fri) 14:04 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193356 
>193329
Broadwell「僕のことも忘れないでください」
2023/01/27(Fri) 15:00 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193360 
Pentium以下をprocessorにするのはマーケティング的にどんなメリットがあるんだろう?Core以外を今より低価値にしてi3に誘導したいのかなあ
2023/01/29(Sun) 00:41 | URL | アイギス攻略中の名無 #-[ 編集]
193364 
>All
4にそろえるために色々無理をしているのは承知の上

正確に言えば

8086→80186→80286→80386→80486の5つだし

Pentiumにはモバイル専用のTillamookがあるし

XeonでないPenⅡ/ⅢはKlamath→Deschutes→Katmai→Coppermine→Tualatinの5世代だし

Pen4はご指摘のとおりPrescott-2Mを入れた5世代だし

Pentium→Pentium Pro→PentiumⅡと数えていくと5つだし

Core系はBanias→Dothan→Yonah→Merom→Penrynの5世代だし

Skylake系はSky→Kaby→Coffee→Whiskey→Cometの5つだし
(デスクトップとノートで違いがあるので世代とは呼ばないことにする)

…「5つで終わる」というのが呪い?
まあ1つのアーキテクチャを改良して使い続けられるのが5世代(≒5年)くらいなのでしょう
2023/01/29(Sun) 11:19 | URL | 物知り #-[ 編集]
193367 
>193356
モバイル版はちゃんと出てたし、デスクトップもCモデルが出てるから言うほど不遇じゃないと思うけどな
Cannon Lakeの悲惨っぷりを見ると、BroadwellやIce Lakeは比較的恵まれてると思う
2023/01/29(Sun) 12:19 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193369 
>193360
Pentium以下がグレードとしての役割を果たさなくなったから統合されることになったんじゃないかな
今の下位グレードはAtom系を採用した製品が混在してて、グレードの逆転現象も頻発している
メーカー側からも「ややこしい」って言われてたらしい
2023/01/29(Sun) 15:01 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193373 
Broadwellについては、10コアの石がX99環境で4チャンネルメモリの恩恵を十分に受けて現在進行形で活躍中なカワイイ奴なのよ。
NVMeなSSDも拡張スロットを使ってフルスピードで3枚積んでるし、メモリとストレージモンスターとして使ってる。
余は満足じゃ。
2023/01/29(Sun) 21:56 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193383 
Intel最大の失敗策Itanium9x000番台も呪いの仲間に入れてあげて下さい。Montecito→ Montvale→ Tukwila→ Poulson→ Kittson→御臨終
※Wikipedia調べ
2023/01/30(Mon) 22:07 | URL | LGA774 #-[ 編集]
193389 
初代Itaniumは、我が家の文鎮として余生を送っています。ホント重いのよ、アレ。
2023/01/31(Tue) 07:56 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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