北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
AMD 2012 - 2013 server roadmap(CPU World)
AMD Readies Opteron "Dublin" and "Macau" Processors for Launch in 2013 - Slide.(X^bit labs)

昨年の11月、AMDは2012年までのサーバー製品ロードマップを明らかにした。2011年には“Interlagos”と“Valencia”が予定されており、これはまもなく登場する見込みである。そしてこの後継となるのが“Terramar”と“Sepang”である。
 
“Terramar”はOpteron 6000系として投入され、1/2/4-wayに対応する。CPUコア数は最大20である。SocketはSocketG2012となる。また“Terramar”ではコア数の増加とともに、PCI-Express 3.0コントローラが内蔵される。メモリコントローラは4ch DDR3対応となる。

“Sepang”はOpteron 4000系として投入される。CPUコア数は最大10で、“Terramar”同様PCI-Express 3.0コントローラを内蔵する。メモリコントローラは2ch DDR3対応である。

さらに“Terramar / Sepang”の後継となるコアが2013年に予定されており、Opteron 6000系に“Dublin”、4000系に“Macau”が投入される。
“Dablin”と“Macau”の製造プロセスは28nmで、CPUコア数は“Dublin”が最大20、“Macau”が最大10である。
“Dublin / Macau”については現時点では28nmプロセスで製造されること以外は明かされておらず、この世代でどのような拡張が施されるかも今のところ不明である。


プラットフォームであるが現行の“Maranello”(SocketG34)の後継となるSocketG2012のプラットフォームが“Porto”、“SanMarino”(SocketC32)の後継となるSocketC2012のプラットフォームが“Lexembourg”である。

以下に表にしてまとめます。

2010年2011年2012年2013年
Opteron
6000
ProcessorMagny-Cours
8,12-core
45nm
Interlagos
8,12,16-core
32nm
Terramar
Max 20-core
32nm
Dublin
Max 20-core
28nm
PlatformSocketG34 / Marannelo
1,2,4-way / SR56x0+SP5100
SocketG2012 / Parto
1,2,4-way / SCH
Opteron
4000
ProcessorLisbon
4,6-core
45nm
Valencia
6,8-core
32nm
Sepang
Max 10-core
32nm
Macau
Max 10-core
28nm
PlatformSocketC32 / SanMarino
1,2-way / SR56x0+SP5100
SocketC2012 / Luxembourg
1,2-way / SCH


まず、2012年の“Terramar / Sepang”についてはPCI-Express 3.0コントローラを搭載することがこの情報では述べられています。そしてロードマップ図をみるとそれぞれのプラットフォームには“SCH”という文字列が見られます。A series APUに対応するチップセットがFusion Controller HubでFCHと言われていますが、SCHはさしずめServer Controller Hubと言ったところでしょうか。またこの世代ではSocketの変更が行われ“Terramar”はSocketG2012、“Sepang”はSocketC2012となります。

これらのCPUの姿が明らかになることにより、自作でよりなじみの深いものになるであろう2012年のハイエンドデスクトップ向けCPU―“Komodo”の姿もある程度見えてくるようになります。“Zambezi”から“Komodo”でもSocket変更が行われますが、おそらく“Komodo”でも“Terramar / Sepang”同様にPCI-Express 3.0コントローラがCPU側に内蔵される可能性が高くなります。チップセットの構成においても“Komodo”も“Terramar / Sepang”も1チップ構成となるでしょう(FCHとSCHという差はあれど)。

そして今回新たに2013年のサーバー製品群の名前が明らかになっています。2013年のCPU群は2012年のプラットフォームで対応できるものになるようです。Opteron 6000系に“Dublin”、4000系に“Macau”が投入されます。そしてこれらの製造プロセスは28nmプロセスとなります。22nmプロセスではないのかという疑問は出てきますが、22nmプロセス(あるいは20nmプロセス)の間に28nmプロセスがワンクッション挟まるのかもしれません。コア数は“Dublin”が最大20、“Macau”が最大10となります。これらは前世代の“Terramar / Sepang”と変わりませんが、製造プロセスが変わってコア数変わらずということは何かしらのコアの改良が行われている可能性を示唆します。

“Terramar / Sepang”の名が公式に登場したのは昨年11月のAMDのFinancial Analyst Dayでのことでしたが、おそらく今年のFinancial Analyst Dayでは新たに“Dublin / Macau”の名が明かされることになるでしょう。



(追記:2011年8月4日20時54分)
AMD Shows Off Opteron "Interlagos" Again: No Performance Benchmarks, No Design Wins, No Launch Date Announced.(X-bi labs)

AMDはドレスデンで開催したプレスイベントで“Interlagos”の動作デモを再度行った。しかしこんかいのデモでも性能を示すベンチマースコアが示されることもなく、パートナーからの“Interlagos”搭載サーバー製品のデモもSuperMicroの1機種のみで他は皆無という状態であった。

今回は動作でもと併せて“Valencia”(ちなみに“Valencia”と同じダイの系列を示す名称として“Orochi”という名前が使われている)のダイを載せたウエハの展示が行われた。“Valencia”は1,2-way向けのOpteron 4200として投入される予定である。また今回SuperMicroが展示を行ったのは16-coreの“Interlagos”を搭載したもので、こちらは8月に出荷開始、正式発表は9月が予定されている。

AMDが未発表製品の性能の数字を公表しないということ自体はそれほど驚くことではなく、その詳細なスペックを公開しないのもそれ自体はそこまで珍しいことではない。しかし、ここまでAMDが何の性能の数字も明らかにしないこと、あるいはサーバーアプリケーションにおける新チップの優位性を示さないとどうしても不安が生じてくる。ライバルのIntelは既にDual-socketあるいはMulti-socketサーバー向けに8または10-coreのXeonを投入している。

そしてこの不安感・危機感をさらに強くしてしまったのがAMDのCEOの発言である。先日AMDのCEOは新チップの性能について現行の製品と比較し35%の性能向上を実現すると述べた。しかし、以前のAMDの発言では“Interlagos / Valencia”は“Magny-Cours / Lisbon”比で最大50%の性能向上を果たすとされていた。

声はすれども姿は見えず・・・ウグイスあたりならば風流で結構となるのでしょうが、オロチだと不安感か恐怖感を抱くものになるでしょう。しかし、今回のオロチはライバルではなく顧客に不安感を抱かせてしまっているようです。字面の通りであれば“Interlagos”は今月出荷開始、来月に正式発表となるはずで、ならば現時点で当然製品版かあるいはその最終候補版のチップははできあがっているはずです。そろそろスペックなり性能なり何らかの具体的な数字が示されないと顧客の危機感を無闇に募らせるばかりでしょう。

この記事の後半にIntelとAMDのサーバーCPUの市場シェアの推移を示したグラフがあります。

AMDの全盛時は2006年第2四半期でこの頃は25.9%というシェアを有していました。その頃はIntelが“NetBurst”の最終期でまもなく65nm Core2系2-coreの“Woodcrest”登場する頃、AMDは90nm K8 Dual-coreの“SantaRosa”の世代でした。2007年第1四半期になるとAMDのシェアは15.3%に落ち込みます。AMDの製品はこの時点でも90nm K8 Dua-coreの“SantaRosa”で変わらず、一方のIntelは65nm Core2系4-coreの“Clovertown”が前四半期に登場しています。おそらくはこのシェアの推移は“Clovertown”登場による変化でしょう。その後はIntelは漸増、AMDは漸減が続き2011年第2四半期の両者のシェアはIntelが94.5%、AMDが5.5%となっています。
AMDは“SantaRosa”の後、2007年中に65nm K10 4-coreの“Barcelona”を登場させる予定でしたが、リリーススケジュールが遅れに遅れた上にTLBエラッタによりリリース後にも実際の製品投入が遅れて、今ではグダグダ展開の代名詞と化しています。その後2008年末に45nm K10 4-coreの“Shanghai”、2009年中盤にK10 6-coreの“Istanbul”、2010年にDDR3対応とした45nm K10の“Magny-Cours / Lisbon”を投入しましたが状況は見ての通りです。
ちなみにIntelの“Clovertown”後の動きですが、2007年後半~2008年に45nm Core2系の“Harpertown”が投入され、そして2008年後半~2009年の“Nehalem-EP”でFB-DIMMとの決別を果たしています。その後は2010年の“Westmere-EP”が続き2-way向けに関しては現在も“Westmere-EP”が主力となっています。