北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森四葉. Since July 10, 2006.)
SATA-IO announces SATA Express(VR-Zone)
SATA-IO to Enable Higher Speed Storage Applications with SATA Express Specification(techPowerUp!)
Enabling Higher Speed Storage Applications with SATA Express (SATA-IO)

数週間ほど前、VR-ZoneでIntelがPCI-Express 2.0を活用することを考えているという話を紹介したのは覚えているだろうか。今回の話はそのPCI-Express 2.0の話にも関連するものである。8月10日SATA-IOから新たな規格が発表された。それがS-ATA Expressである。このS-ATA Expressはストレージが最善の性能を発揮できるようにという要求にこたえる新たな規格として登場したものである。
 
S-ATA ExpressはS-ATA 3.2規格の一部であり、現行のS-ATA 6.0Gbpsと互換性を有する。S-ATA Expressコネクタの物理形状は現行のS-ATAポートを2つ使用したようなものである。S-ATA Expressのコネクタは現在2種類が用意されているようだが、最終的な形状・設計はまだ決定されていない。現在計画されている2種類のコネクタのうち片方はPCI-Express専用となる。この新コネクタはPCI-Express x1またはx2で接続されることになる。なお、電力供給がこのコネクタを介して行われるかどうかはまだわからない。

S-ATA ExpressはPCI-ExpressとS-ATA両方の信号を転送することができる。これに使われるケーブルも新たな形状のものが使用され、現行のS-ATAケーブルよりも幅の広いものとなる。帯域は現行のS-ATA 3.0の6.0Gbpsよりも広くなり8Gbpsまたは16Gbpsになるのではないかと思われる。

SATA-IOのリリースを読むとS-ATA ExpressはS-ATAのソフトウェア環境とPCI-Expressの高速転送インターフェースを組み合わせたものと記載されています。
「コネクタが2種類ありうち1つがPCI-Express専用となる~」のくだりはややわかりにくく感じた方も多いとは思われますが、PCI-Express専用とされるコネクタはS-ATA Express用のケーブルとデバイスのみが接続でき、一方PCI-ExpressとS-ATA両対応のものはS-ATA Express用のケーブル・デバイスの接続に加え、従来のS-ATAのケーブルでS-ATA対応のデバイスも接続できるようになるものと思われます。VR-Zoneにそのような図が掲載されており、両対応のものは図の通りであればS-ATAポート2ポート分として使うこともできそうです。なお、コネクタの形状は掲載されている図を見る限りではPCI-Express専用タイプもPCI-Express/S-ATA両対応タイプも同じとなっています。

規格化完了は2011年末とされています。



(追記:2011年8月11日22時04分)
SATA-IO reveals SATA Express, µSSD interface standards(The Tech Report)
SATA-IO Introduces New μSSD Standard for Embedded Solid-State Drives.(X-bit labs)
SATA-IO、組み込み向けの「SATA μSSD」規格を策定(Impress PC Watch)
SATA-IO to Enable Higher Speed Storage Applications with SATA Express Specification(SATA-IO / PDF file)
Evolving SATA for High-Speed Storage(SATA-IO / PDF file)

SATA-IOは8月10日、新しい規格を数種類発表した。今回発表されたのはPCI-Express 3.0の転送速度にS-ATAの特徴を加えたS-ATA ExpressとMobile向けや組み込み向けのS-ATA μSSDである。

SATA-IOの資料よりS-ATA Expressの特徴をまとめます。

  • S-ATAのソフトウェア基盤とPCI-Expressのインターフェースを組み合わせたもの
  • 新デバイスとマザーボードのコネクタはS-ATA Expressと現行のS-ATAの両方に対応可能
  • 転送速度は8Gbpsと16Gbps
  • 他のS-ATA規格と共存するものになる


コネクタについては2タイプ(初出時は2種類と書いたがやや誤解を招いたのでここからは2タイプと書くことにする)があります。1つはPCI-Express x2 / x1のみに対応するタイプ、もう1つはPCI-Express x2 / x1に加え現行のS-ATAにも対応できるタイプです。どちらのコネクタも形状は非常に良く似ていますが、誤挿入を防止するためPCI-Express専用タイプには小さなラッチがついており、現行のS-ATAケーブルが挿入できないようになっています。S-ATA Expressで使われるケーブルは新たにPCI-Expressケーブルが用意されます。

また、今回組み込み向けのS-ATA μSSD規格が発表されています。これについてはImpress PC Watchが日本語記事を載せているので詳しくはそちらをご参照いただきたいのですが、少しだけ述べるとチップにS-ATAインターフェースを内蔵したもので、組み込み・携帯機器向けに求められる省スペース性を実現するものとなっています。

S-ATAの今後ですが今回発表されたS-ATA ExpressやS-ATA μSSDといった規格を含むS-ATA 3.2が2012年に予定されているようです。

示されたロードマップ図で少し過去を振り返るとS-ATA 1.0は2002年に1.5GbpsのS-ATA 1.0が登場しており、2005年に3.0Gbpsの転送速度にNCQやSSCといった機能を加えたS-ATA 2.5が発表されています。そして6.0GbpsのS-ATA 3.0は2009年となっています。

そういえば初期のS-ATAコネクタはよくへし折れた(?)ものですが、最近はそういう話も聞かなくなりました。マザーボードのコネクタに関してはコネクタ周囲にガードがつくようになり、ケーブルもラッチ付きが主流になるなど地味に改良が施されたことに加え、ユーザーが扱いに慣れてきたためでしょうか?