北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
(イベント告知記事)
AMD、APUに関するブロガー向け勉強会を8月1日に新宿で開催(Impres PC Watch)
AMD,ブロガー向けの「APU勉強会」を8月1日に新宿で開催。参加者募集中(4Gamer.net)

AMDは8月1日、「APUに関するブロガー向け勉強会」を抽選で選ばれた20名を対象に開催した。

今回、幸運にもこの勉強会に参加することが出来ましたので、その簡単な報告記事をまとめたいと思います。なお、当日会場でお世話になりました日本AMD株式会社様ならびに関係者の皆々様にはこの場を借りて厚く御礼を申し上げます。
 


今回は勉強会の内容とその感想などをとりとめもなく書いてみたい。
いつものエントリーとは異なり、日記的な内容となるので、気楽に(まあいつものエントリーで気張っている人もそうそういないと思うが)読んで頂ければ幸いである。

勉強会の内容を一言で言うと「APUとは何か?」
そしてこの勉強会を開催した目的は「今後APUを如何に有効活用していくか」
である。

「APUとは何か?」については北森瓦版をご覧の方々ならば「1つのダイにCPUとGPUを収めたもの」といったような答えがすぐに返ってくるだろうし、1番目のセッションの「APUとは何か?」の内容もおおむねこれに沿ったものであった。そしてCPUとGPUを1つに収めたAPUの力を今後如何にして最大限引き出すかが課題であるか・・・これもここをご覧の方々ならば重々承知であろう。先日AMDを初めとしARMやTexas Instrumentsなど多数のメーカーが集まりHeterogeneous computingを推進すべくHSAを設立したのは記憶に新しいところだ。今回のセッションでもHSAの話が登場し、CPU向けコードを書く程度の少ない労力で異種コンピューティングを可能にするという目的が示された。具体的に名が上がったのがOpenCL / OpenGLで、Photoshop CS6はこのOpenCL / OpenGLを積極的に使用するようだ。ちなみにPhotoshop CS seriesの前のバージョンではCUDAがサポートされたいたようだが、CS6からはOpenCL / OpenGLに完全に切り替わったそうである。

もう1つ名が上がったのがHTML 5。AMDの中の人曰く、「ここまで早くHTML 5が普及するとは思わなかった」そうで、その背景がiPhoneなのだそうだ。iPhoneはAdobeのFlashに対応しないため、Flashなしでリッチなコンテンツを表示させるためにHTML 5が急速に普及することになったのだという。

GPU演算を利用するソフトも着実に増えているようで、2012年は既に200のソフトがGPUアクセラレーションに対応したという。その中にはPhotoshop / Premiere ElementsやFireFox、Chromeなどの見知ったソフトの名も多数。

自作PCをやっているとゲームをするわけでもないのに無意味に高性能なGPUを積むことも多いが、こうやってGPUの能力を活かすソフトが増えてくれれば「また使いもしないのに無意味に高性能なGPUを積んでw」とか言われなくて済むだろう(ヲイ)。与太話はさておき、実際いろいろと使えそうで、例えばPhotoshopで絵を描いているとか写真を大量編集しているというユーザーは多いだろうが、エフェクトのプレビューもレンダリングもなめらかにしかも高速に行えるよう。

・・・と、ここまでは既にご存じの方も多いかもしれない。

そこで今回の勉強会の目的である「今後APUを如何に有効活用していくか」という命題が突きつけられる。

そしてAMDの中の人はこういった。

「このA8-3870KとA75マザーボードでAPUの面白い使い方を提案してください」

・・・さらっと言うけどかなりの難問じゃないですか!?

Heterogeneous computingだとかGPU演算だとかはAMDやあるいはHSAに参加した各企業が必死になって取り組んでいる最中だ。
参加者の方々には並列演算プログラムを組んでるとか、画像編集を仕事で行っているという方もいらしたが、残念ながら私は一介の自作PCユーザーに過ぎず。

ううむ・・・?



◇APUの省電力機能
2つめのセッションがAPUの熱設計・制御について、そして3つめのセッションがこの項目のタイトルにもなっている「APUの省電力機能」。
このAPUの省電力機能に関して“Llano”が搭載する機能と“Trinity”で拡張された機能を見ることが出来た。

以下にAPUが有する主な省電力機能を表にしてまとめた。

LlanoTrinity
Core P/C sate
Core Perfomance Boost
Core C1 / C6
Package C1 / C6
NB P-state
NB P0/P1の2段階
4段階に拡張
DPM
GPU and Root complex clock gating
UVD power gating
GFx link core power gating
PCIe Speed Power Policy
PCI-Expressの速度制御
DRAM self-refreshメモリコントローラに2段階のP-stateを追加




◇今回出た質問内容の一部とか(記憶が曖昧な部分もあり、怪しい部分もありますがその点はご容赦ください)


Q:ゲームコンソール向けの製品とそこからのフィードバックってありますか?
A:(ごにょごにょ)

・・・PS4がAMD CPU+GPUになるとか言う噂はありますよね。

Q:サーバー向けAPUが出るという話を聞いたのですが?
A:(ごにょごにょ)

・・・参考までにAFDS 2012ではサーバーにAPUがもたらされると明記されています。関連する噂として“Trinity”がOpteronブランドで2012年末だか2013年初めに登場するという話が出ていますね。

Q:GPUをさらに強化したもの、あるいは8-coreにGPUを搭載したようなものは出ますか?
A:現在のAPUのスペックはバランスを考えて今の形としている。CPUあるいはGPUどちらかに偏りすぎてしまうとニッチなものになってしまう。またダイサイズやイールドの兼ね合いもあるため、8-core+GPUというのは現段階では難しい。

Q:メモリ帯域の改善として例えば4chメモリコントローラ対応のAPUが登場する可能性は?
A:メモリコントローラを1ch増やすとpinの接点が200以上増えてしまう。仮に4chにしたとすると、デスクトップ向けなら(今の904-pinから)さらに500本近くpinが増えて、抜き差ししたくない代物になる。ノートPCではさらにシビアで、薄型ノートPC向けのBGAタイプでさらにpinを増やすのは非常に厳しい。またマザーボードの基板の層も増やす必要が出てきてしまう。

・・・とりあえずコンシューマ向けはしばらく2chにとどまるよう。ただ、サーバー向けに関しては一切触れられなかったので、将来のOpteron APUなら2chを超えるメモリコントローラを搭載するものは出て来る可能性は・・・あるかも? 今のSocketG34 CPUのように2つのAPUのダイをMCMにしてみるとか??

北森瓦版的に注目されそうな内容はこのあたりでしょうか。
他にはソフトウェア関連の質問もいくつか(というかこっちの方が多かった)出たのですが、残念ながら私が理解できる内容ではなく・・・。このあたりは当日参加された他のブロガーさんのBlogをご覧頂くのが良いでしょうか。

北森瓦版からの報告内容は以上としたいと思います。

日本AMD様、並びに関係者の皆々様、そしてこのエントリーをご覧下さった皆様に改めて御礼を申し上げます。


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