北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
The AMD FirePro W9000 & W8000 Review: Part 1(AnandTech)

GPU市場には3つの分野にそれぞれ異なった需要がある。その3つの分野というのがコンシューマ向け、Professional graphics向け、演算向けである。コンシューマ向けにはゲーム性能や動画再生機能が重視されるが、Professional向けでは演算性能やレンダリング性能が重視される。またサポートや製品の信頼性もコンシューマ向けよりProfessional向けの方が高いレベルを求められる。
一般的にはまずコンシューマ向けが最初に投入される。そして6~12ヶ月後、ドライバの開発と求められる品質を満たしてProfessional graphics向けと演算向けが登場する。結果、このような興味深い製品の流れができあがり、GPUそのものがローンチされて数ヶ月後に、その持てる全ての性能を有する製品が登場してくることになる。
 
今回、AnandTechではAMDのFirePro W9000のレビューをお届けする。FirePro W9000はGraphics Core Nextアーキテクチャを使用したもので、AMDはProfessional graphics向けや演算向けに改良と検証を続けてきたが、今回ようやくその製品が登場することになった。そしてFirePro W9000を初めとするGraphics Core Nextを搭載したFireProが今月に入って全てローンチされた。

先日正式発表されたFirePro W9000, W8000, W7000, W5000の解説記事です。レビューとともに細かいスペックも掲載されています。
以下にそのスペックを掲載します。

FirePro
W9000W8000W7000W5000
GPUTahiti XT GLTahiti XT GLPitcairn GLPitcairn?
Compute Unit32282012
StreamProcessor204817921280768
Texture unit1281128048
コア周波数975MHz900MHz950MHz825MHz
搭載メモリGDDR5 6GB
ECC対応
GDDR5 4GBGDDR5 4GBGDDR5 2GB
メモリ周波数1375MHz
(5500MHz)
1375MHz
(5500MHz)
1200MHz
(4800MHz)
800MHz
(3200MHz)
メモリインターフェース384-bit256-bit256-bit256-bit
演算性能SP 4TFlops
DP 1TFlops
SP 3.23TFlops
DP 806GFlops
SP 2.4TFlops
DP 152GFlops
SP 1.27TFlops
DP 80GFlops
Pixel Fillrate
GPixels/sec
31.228.830.426.4
Textire Fillrate
GTexels/sec
1241007639.6
消費電力
PCIeコネクタ
274W
6-pin + 8-pin
189W
6-pin×2
<150W
6-pin
<75W
出力DP 1.2×6
3-pin DIN
DP 1.2×4
3-pin DIN
DP 1.2×4DP 1.2×2
DVI-I×1
価格$3999$1599$899$599


使用するコアはFirePro W9000, W8000が“Tahiti”、FirePro W7000, W5000が“Pitcairn”となります。FirePro W5000は“Pitcairn”としてはだいぶ機能が削られたもので、Compute unitは4割に相当する8基が無効化され、StreamProcessor数は768となっています。またメモリの周波数も800MHz(3200MHz)とだいぶ抑えられています。その代わり、冷却機構は1スロットの小型のものとなり、消費電力も75W未満とPCI-Express電源コネクタ不要となっています。

3ページ目以降はFirePro W9000, W8000, W7000, W5000のもう少し踏み込んだ解説―FireProを取り巻く現状や、FireProへのGraphics Core Nextアーキテクチャ投入でAMDが目指す方向、Graphics Core Nextアーキテクチャの解説などが書かれています。

VLIWからGraphics Core Nextへの移行に関しては、VLIWがグラフィックには強いがProfessional用途や演算は弱かったのに対し、Graphics Core Nextではグラフィックにも演算にも強いものを目指したとあります。このあたりはRadeon HD 7000系登場前にもGraphics Core Nextアーキテクチャの利点として強調されていたものです。
このあたりの詳細な話はもし興味があるのでしたら元記事をご参照いただければと思います。

(過去の関連エントリー)
FirePro W9000, W8000, W7000, W5000が正式発表される(2012年8月8日)


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