北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森四葉. Since July 10, 2006.)
New video and graphics features of Haswell CPUs(CPU World)

2013年に予定されている“Haswell”では様々な拡張や新機能の追加が行われる。CPU Worldでは今週初めに“Haswell”のダイとパッケージの関係について紹介した。その中でも特記すべきなのは“Haswell”にはCPUと“Lynx Point”チップセットを1つのパッケージにまとめたものがあると言うことである。
そして“Haswell”に関してもう1つ特記すべき事項は新命令・新機能の搭載で、新命令としてはAVX 2.0やAES命令の拡張が挙がる。またOC機能の改良やValtage Regulatorのオンチップ化、ULT processorでの新たな低消費電力ステートの追加、DDR3Lのサポートの追加がある。
そして忘れてはいけないのがGPU周りの拡張で、今回はそのGPU周りの新機能・拡張についてお話ししたい。
 
現行の“Chief River / Maho Bay”プラットフォームはチップセット側にデジタル・アナログディスプレイインターフェースを備えている。このうちアナログディスプレイインターフェースについては“Haswell”世代の“Shark Bay”プラットフォームでも“Lynx Point”チップセット側に置かれたままとなる。しかし、デジタルディスプレイインターフェース(DDI)はProcessor側に移動する。“Haswell”は3系統のデジタルポートを有し、HDMI, DisplayPort, DVIを選択できる。しかしいくつか制限もあり、例えば3系統全てをHDMIまたはDVIとすることはできない。逆に3系統全てをDisplayPortとすることは可能である(つまり1系統以上は必然的にDisplayPortとなる)。これらのデジタルポートはHDMI 1.4aとDisplayPort 1.2をサポートし、DisplayPortで60Hzの場合は解像度3200×2000まで、HDMIで24Hzの場合は解像度4K ×2Kまで対応する。また3系統のデジタルポートに加え、embedded DisplayPort(eDP)を1系統、FDI(Flexible display interface)を1本搭載する。eDPはPanel Self Refresh機能を搭載し、映し出されている画像をローカルのビデオメモリにためておき、画像が変わらないときにグラフィックコントローラの電源を落とすことが出来る。この機能はeDP対応ディスプレイ1画面で駆動しているときにのみ動作する。この他に低消費電力機能としてLow Power Single Pipe(LPSP)というものがある。

“Haswell”ではGPUに搭載されるハードウェアアクセラレーションの強化が行われる。“Haswell”のGPUでデコードできるのはJPEG、Motion JPEG、Multi-view Video Coding(MVC)そしてScalable Video Codec(SVC)である。また、MPEG2とSVCへのエンコードに対応し、AVCフォーマットに関してはエンコード性能が強化されている。動画処理機能はこの他にも様々なものが搭載され、ディスプレイや元となる動画似合わせて色域を調整する機能(New gamut conversion featureと表記されている)や、低フレームレートで録画された動画の再生画質向上を行うFrame Rate Conversionがある。

もちろんGPUそのものの性能も強化される。何度か述べているとおり、“Haswell”ではGT1, GT2, GT3の3種類のGPUが用意され、それぞれエントリーレベル・メインストリームレベル・パフォーマンスレベルのGPU性能を有する。これらはExecution unitのかずによって区別され、最上位のGT3は最高40基のExecution unitを搭載すると言われている。ただし、今の時点では正確な数字は不明である。さらにGT3はオンパッケージのキャッシュを搭載している。“Haswell”のGPUの3Dエンジンそのものにも手が入れられており、データパスの広幅化やサンプラとジオメトリユニットの改良などが行われている。“Haswell”のGPUはAPIとしてDirectX 11.1, OpenGL 3.2, OpenCL 1.2に対応する。
Intelによると“Haswell”のGT1は“IvyBridge”のGT1(HD 2500)比で15~25%の性能向上を果たし、同様に“Haswell”のGT2は“IvyBridge”のGT2(HD 4000)比で15~25%性能が向上、“Haswell”のGT3は“IvyBridge”のGT2(HD 4000)比で50~100%の性能向上がなされるという。


今回紹介された“Haswell”のGPUの機能拡張を大きく分類するとディスプレイ出力周り、動画処理機能周り、GPUそのもの3つに分けることが出来ます。

ディスプレイ出力周りではデジタルディスプレイインターフェースがチップセットからProcessor側に移動します。搭載されるデジタルディスプレイインターフェースは3系統となりますが、1系統以上はDisplayPortでなければならないという制限があるようです。

動画処理機能周りでは処理機能の性能向上と対応フォーマットの追加が主なものとなるでしょうか。
そしてGPUそのものの強化としては“IvyBridge”のGPUとの比較でどれほどの性能向上がなされるかが書かれており、GT1はHD 2500の1.15~1.25倍、GT2はHD 4000の1.15~1.25倍、GT3はHD 4000の1.50~2.00倍の性能となるようです。

(過去の関連エントリー)
“Haswell”のコア数とGPUとメモリコントローラの組み合わせパターン(2012年8月21日)