北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
Haswell Xeon(s) - Too Much Of Heaven?(VR-Zone)

ハイエンドサーバー向けCPUの新世代の移行がやや遅くなっているのに対し、メインストリーム向けCPUを使用するエントリーレベルのサーバー・ワークステーション向け製品はより早い新世代への移行が計画されている。
“IvyBridge”世代のXeon E5 v2(“IvyBridge-EP / IvyBridge-EN”)は来年の前半から中盤の予定となっており、メインストリーム向けに“IvyBridge”がもたらされから約1年のブランクがある。“Haswell”世代のXeon E5 v3(“Haswell-EP / Haswell-EN”)はさらにその1年後だ。
ところがXeon E3 seriesは、ほぼメインストリーム向けのチップをそのままXeonとして投入していることもあり、ここまで間が空くことはない。例えば“IvyBridge”ベースのXeon E3-1200 v2はデスクトップ向けの“IvyBridge”が登場してすぐに登場した。
 
デスクトップ向けのLGA1150プラットフォームと“Haswell”は来年前半に登場する。そしてこれに続いてXeon E3 v3と“Denlow”プラットフォームが登場する。Xeon E3 v3は4-coreで2ch DDR3対応メモリコントローラを有する。しかし3Dワークステーション向けも考慮し、GT3 graphicsとL4外部キャッシュを搭載したモデルも投入されるようだ。メモリコントローラには改良が加えられており、1chあたり2本のDDR3-1600 ECC DIMMを搭載することが出来る。ただ、メモリに関しては“Haswell”どころか“IvyBridge”でもこれ以上の速度のメモリも問題なく動いてしまうだろう。

“Haswell”の拡張の鍵となるのはIPCの向上によりさらなる効率性を実現したことである。具体的にはFMA追加やAVXへの整数制御命令(integer handling extensions)の追加があり、ワークステーションやサーバーに大きなメリットをもたらすだろう。またコア当たりの消費電力の低減とVoltage regulatorの内蔵も、エントリーサーバーにおいて有利に働く。一方でマザーボードの機能は“IvyBridge”世代とそれほど変わらない見込みで、16本のPCI-Express 3.0レーンやS-ATA 6.0Gbps、USB 3.0はそのまま引き継がれることになる。

Xeon E3-1200 v3には興味深い用途が想定されており、それはOpenGL, OpenCLを使用した3Dミニワークステーションだ。このコンパクトなワークステーションは建築、技術、マルチメディアに用いる宇琴が考えられており、十分な性能を提供するとしている。ちょうどAMDがAPUで同じようなことを言っていたのを思い出す人もいるだろう。そしてIntelはNVIDIAが優勢を誇っているワークステーションにおいて、ローエンドのQuadroを叩きだそうともくろんでいる。

“Haswell”世代のXeon E3-1200 v3の話です。Xeon E3-1200 v3はLGA1150を用いた1-wayプラットフォームとなり、LGA1155のXeon E3-1200 v2を引き継ぐものとなります。

ここで1点興味深いのはデスクトップ向けには投入されないと言われている4-core+GT3のSKUがXeon E3-1200 v3には投入されるかもしれないということです。IntelはXeon E3-1200 v3でNVIDIAのローエンド向けQuadroと対抗する構えを見せており、その対抗として用意されるのが4-core+GT3のSKUになりそうです。
今でもデスクトップ向けマザーの一部でXeon E3-1200 v2を動作させることが出来ますが、もし4-core+GT3が一般のデスクトップ向けに出ずXeon E3-1200 v3では出るとしたら、デスクトップ向けマザーボードでXeon E3-1200 v3を動作させるユーザーが今よりも多く現われるかもしれません。


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