北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
Exclusive: AMD's Carrizo APU Details Leaked - SoC for The Mainstream(Bright Side Of News)
Report: AMD's next-gen Carrizo APU supports DDR4, integrates chipset(The Tech Report)

1月にAMDは初のHSA対応APUとなる“Kaveri”をローンチした。現在の所“Kaveri”は2種類のデスクトップ向けSKUのみしか展開されていないが、今後デスクトップ向けの追加SKUとノートPC向けのラインナップも予定されている。そしてAMDは既に次の世代のAPUの開発を始めている。この次世代APUのコードネームは“Carrizo”といい、Bright Side Of Newsでは“Preliminary BIOS and Kernel Developer’s Guide (BKDG) for AMD Family 15h Models 60h-6Fh Processors”と題された開発者向けの資料にこの“Carrizo”の新たな機能が記載されていることを確認することが出来た。

“Carrizo”のCPUコアは“Excavator”となり、“Kaveri”の“Steamroller”から更新される。昨年9月にAMDはGCC projectを発行し、その中で“Excavator”が新たにAVX 2, BMI 2, MOVBE, RDRAND命令セットに対応することを明かしている。つまり、TSX命令が一部のモデルに存在すること意外は(命令セットという点において)“Haswell”と同等のコアとなる。この他の“Excavator”コアの改良点については明らかになっていないが、AMDは“Excavator”を“Bulldozer”アーキテクチャのロードマップの流れの中で示している(つまり、“Bulldozer”の流れをくむCPUであるということであろう)。キャッシュ容量の変更については言及されていない。
 
“Carrizo”のGPUコアは大まかに言ってしまうと“Kaveri”と同じである。“Volcanic Islands tiles”と呼ばれる資料によると、“Kaveri”の時点で既に“Hawaii”と同レベルのアーキテクチャのGPUであるという。資料に記載されていないアーキテクチャの変更については把握することは出来ないが、今のところどのような拡張が成されるのかは情報がない。またCompute unitの数が変更されるという情報もない。“Carrizo”が28nmプロセスで製造されることを考えると、例えその28nmプロセスが“Kaveri”とは異なるものであったとしても、AMDが“Carrizo”でGPUのCompute unitを増やしてくるとは考えにくい。

“Carrizo”のメモリコントローラはDDR3とDDR4両方に対応する。DDR3については“Kaveri”とおおむね同じであり、異なるのはRegistered DIMMへの対応が加わる程度である。このRegistered DIMMへの対応は“Carrizo”のサーバー版である“Toronto”向けのものであろうと思われる。DDR4についてはサポートの記載はあるが、詳細なDDR4の扱いについては記載されていない。

そして“Carrizo”の最大の進化点がFusion Controller Hub (FCH) を統合することである。“Carrizo”のFCHは2基のSATA 6.0Gbpsポート、4基のUSC 3.0ポート、8基のUSB 2.0ポートを搭載する。さらに2基のUARTと4基のI2Cインターフェースを備え、SDカードインターフェースも提供される。ただし、これらの機能はBGAのFP4 packageの“Carrizo”でのみ有効化される。BGAのパッケージはFP4に加え、SP2というものも資料に記載されている。リークしたロードマップでは、サーバー向けの“Toronto”にもBGAパッケージが存在しており、SP2パッケージはひょっとするとサーバー向けのBGAパッケージを示しているのかもしれない。またFP4とSP2ではサポートするメモリの最高周波数が異なっており、FP4では1866MHzにとどまるのに対し、SP2ではDual-rank モジュールをチャネル辺り1枚搭載した場合で2133MHzまでのSO-DIMMに対応するとある。またSP2ではRDIMMやLRDIMMなどにも対応する。

デスクトップ向けの“Carrizo”はSocketFM2+に対応するが、この場合、内蔵されたFCHは無効化され、別途外付けのFCHを搭載したマザーボードで使用されることになる。この措置はマザーボードの構造を変更しないこととのトレードオフである。また無効化されたユニットがシリコン上に乗っていることを措置を快く思わないユーザーもいるかもしれないが、内蔵されているFCHの機能はデスクトップ用途においては不十分である。そのため、現在と同じように別途FCHを搭載するというのは理にかなっている。一方、ノートPC向けでは内蔵のFCHで十分な機能をまかなうことが出来、FCH統合によって消費電力の低減とバッテリ駆動時間の延長を実現できる。

APUに内蔵されるPCI-Expressについても若干の更新が行われる。“Kaveri”では単体グラフィックカード向けのPCI-Express 3.0が、それ以外の一般用途向けにはPCI-Express 2.0が用いられていた。一方、“Carrizo”では全てがPCI-Express 3.0となり、追加のデバイスにより広い帯域を提供できる。
資料が早期の段階のもので間違っているというわけでなければ、AMDは“Carrizo”でPCI-Expressレーンを“Kaveri”の24から16に減らすようである。そした単体グラフィックカードはx8レーンまたはx4レーン2本で接続することになる。一般用と向けはPCI-Express 3.0 x4レーンとして提供され、このx4レーンはx1レーン4本やx2レーン2本、あるいはx4レーン1本として使用できる。デスクトップ向けではFCHとのUMIインターフェースとしてさらに追加のx4レーンが使用できるが、BGA版ではこれは使用できず、内蔵FCHがこのレーンを使用することになる。しかしながら何故グラフィックカード向けのPCI-Expressレーンを削ったのかは分からず、今後はこの辺りも明らかにしていきたい。


“Carrizo”のサーバー向けが“Toronto”であり、新たなRAS機能が追加され、ECCメモリへの対応やData poisoningのサポートがある。

“Carrizo”は“Kaveri”の次のAPUとして2015年に予定されているものです。今までの情報では“Carrizo”のCPUコアが“Excavator”系のものになること、28nmプロセスであることなどが言われてきましたが、今回の情報では加えて新たな情報がいくつか入ってきています。
その大きなものがFCHの統合で、ノートPC向けではこの統合されたFCHが使われます。一方、デスクトップ向けはこの統合されたFCHのみでは機能不足であるため、“Kaveri”と同様に別途外付けのFCHが用意されることになるようです。PCI-ExpressはUMIインターフェースとして使用されていた分も含めGen. 3.0になるようですが、レーン数が減らされるのではないかという話が出ています。

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コメント
この記事へのコメント
143193 
彼らの予測は概ね正しいのではないかな
2014/03/20(Thu) 00:42 | URL | LGA774 #-[ 編集]
143195 
>あんっていない。

アンコ練ってないの?
2014/03/20(Thu) 08:51 | URL | LGA774 #-[ 編集]
143196 
PCI-Eを削ったのは単純に考えてFCHを統合したからでしょ。
製造プロセスが変わらない。GPUもかわらないで、
ダイリソースの中で減らせるところは何処かといったら、
PCI-eしかなかっただけでは?
2014/03/20(Thu) 09:41 | URL | LGA774 #-[ 編集]
143197 
>この他の“Excavator”コアの改良点については明らかにあんって

いきなり官能小説に突入したかと思いました。アンアン
2014/03/20(Thu) 16:29 | URL | LGA774 #-[ 編集]
143202 
| ○ | l☆│AMDを買ったよい子の諸君!

もうすぐ3月も終わるが、
SimCityのダウンロードコードも今月で終わりだ!
クリアファイルの方が良かったな!
2014/03/20(Thu) 22:38 | URL | LGA774 #-[ 編集]
143215 
今のAMD APUのGPU性能ってほどほどにゲームする上で微妙なライン上
(カジュアルゲームはIntelでもはや何も問題無い、BF4クラスは端から期待してない、
skyrimなんかがMOD入れてもあまり制限を課さずにほどほど楽しめるかどうかあたりのボーダー上)
にいると個人的に思うので、GPU性能が伸びないのは非常に残念だな。
MONOBOX itx2sみたいな拡張ボード刺さらん小さいケースで満足のいくミニPC組めるのはまだ先かねえ。
ていうか来年もGPU据え置きとなるとIntelに追いつかれるんじゃないの
2014/03/21(Fri) 15:09 | URL | LGA774 #-[ 編集]
143223 
>>143196
TrontoはBGAで提供される
これは実装面積が厳しく制約される高密度サーバを前提としていると思われ、そういう条件下でPCIeを多数出しても使われない(石を載せられない)からだろう
チップセットの統合もこの流れの中で説明できると考えてる
2014/03/22(Sat) 11:19 | URL | LGA774 #-[ 編集]
143251 
K8の頃はL1キャッシュ馬鹿デカかったけど
もうキャッシュに多大なリソース割いたりしないのかな
2014/03/24(Mon) 09:00 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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