北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
Intel to release Core M 5Y10c, 5Y31, 5Y51 and 5Y71 processors(CPU World)
Core M 5Y70と5Y71の比較(Intel ARK)

IntelのCore Mは現在Core M 5Y10, 5Y10a, 5Y70の3モデルで構成されている。しかし今回このCore Mのラインナップが拡張され、新たにCore M 5Y10c, 5Y31, 5Y51, 5Y71が登場した。これらは最初の3モデルと比較し、CPUやGPUの性能が引き上げられている一方で、同等の省電力性を維持している。Intelのロードマップによると、これらのCore Mは2015年第1四半期に投入されるとあるが、Intel ARKのデータベースでは“Launched”となっている。
 
Core M 5Y10cは既存の5Y10, 5Y10cの派生モデルである。これらはいずれも2-core/4-threadでCPU周波数は800MHz/Boost 2.00GHzである。内蔵するGPUも同じHD 5300であるが、周波数は5Y10と5Y10aが100MHz/Boost 800MHzであったのに対し、5Y10cは300MHz/Boost 800MHzである。つまり、ベースの周波数が引き上げられている。その他のスペックは共通でL3キャッシュ容量は4MB、命令セットとしてAESとAVX/AVX 2を備える。

Core M 5Y31と5Y51はCore M 5Y10cからCPUとGPUの周波数を引き上げたようなモデルとなる。Core M 5Y31はCPU周波数が900MHz/ Boost 2.40GHzで、内蔵GPUであるHD 5300は300MHz/Boost 850MHzで動作する。Core M 5Y51はCPU周波数が1.10GHz/Boost 2.60GHzとなり、GPUは同様のHD 5300で300MHz/Boost 900MHzで動作する。Core M 5Y51は既存のCore M 5Y70とよく似たスペックで、GPUのBase周波数がやや高くなっているが、一方でvProには対応しない。

Core M 5Y71はCore M製品の新たなフラッグシップである。CPU周波数は1.20GHz/Boost 2.90GHzである。そしてCore M 5Y70同様5Y71もvProをサポートし、Trusted Exection technology等の機能を備える。

メモリはいずれもLPDDR3-1600またはDDR3L-1600に対応し、パッケージはBGAである。TDPは4.5Wであるが、TDP3.5WやTDP6Wで動作させることも可能である。

スペックは以下の通り。

Core M(Broadwell / 14nm / BGA)
コア数
スレッド数
定格周波数
TB時周波数
キャッシュTDP対応メモリ
GPU
EU数GPU周波数
Core M
5Y71
2-core
4-thread
1.20GHz
TB 2.90GHz
L2=256kB x2
L3=4MB
4.5W2ch
LPDDR3-1600
DDR3L-1600
'14/10/31
HD graphics 5300
24300MHz
TB 900MHz
Core M
5Y70
2-core
4-thread
1.10GHz
TB 2.60GHz
L2=256kB x2
L3=4MB
4.5W2ch
LPDDR3-1600
DDR3L-1600
'14/9/6
HD graphics 5300
24100MHz
TB 850MHz
Core M
5Y51
2-core
4-thread
1.10GHz
TB 2.60GHz
L2=256kB x2
L3=4MB
4.5W2ch
LPDDR3-1600
DDR3L-1600
'14/10/31
HD graphics 5300
24300MHz
TB 900MHz
Core M
5Y31
2-core
4-thread
900MHz
TB 2.40GHz
L2=256kB x2
L3=4MB
4.5W2ch
LPDDR3-1600
DDR3L-1600
'14/10/31
HD graphics 5300
24300MHz
TB 850MHz
Core M
5Y10c
2-core
4-thread
800MHz
TB 2.00GHz
L2=256kB x2
L3=4MB
4.5W2ch
LPDDR3-1600
DDR3L-1600
'14/10/31
HD graphics 5300
24300MHz
TB 800MHz
Core M
5Y10a
2-core
4-thread
800MHz
TB 2.00GHz
L2=256kB x2
L3=4MB
4.5W2ch
LPDDR3-1600
DDR3L-1600
'14/9/6
HD graphics 5300
24100MHz
TB 800MHz
Core M
5Y10
2-core
4-thread
800MHz
TB 2.00GHz
L2=256kB x2
L3=4MB
4.5W2ch
LPDDR3-1600
DDR3L-1600
'14/9/6
HD graphics 5300
24100MHz
TB 800MHz


Configurable TDPの動作はIntel ARKに掲載されており、Core M 5Y71であればTDP6Wの場合は1.40GHzで、TDP3.5Wの場合は600MHzでの動作となります。4モデルのcTDPの挙動をまとめると以下のようになります。

3.5W4.5W6WBoost
Core M 5Y71600MHz1.20GHz1.40GHz2.90GHz
Core M 5Y51600MHz1.10GHz1.30GHz2.60GHz
Core M 5Y31600MHz900MHz1.10GHz2.40GHz
Core M 5Y10c600MHz800MHz1.00GHz2.00GHz


また新たに登場した4モデルはいずれもF0 steppingとなっています。先の3モデルはE0 steppingであったため、新モデルはsteppingが変更されていることになります。そしてCore M 5Y71についてはIntel TSX-NIが有効となっています。残りのCore M 5Y51, 5Y31, 5Y10cは無効となっていますが、E0 steppingのCore M 5Y70にはそもそもTSX-NIの項目が設けられておらず、今回の下位モデルについては差別化のために無効化されている模様です。“Broadwell”の世代でTSX命令のエラッタが修正されるという情報がありましたが、Intel ARKの記載の通りであれば“Broadwell”のF0 steppingでTSX命令の修正が成されたとみて良さそうです。

(過去の関連エントリー)
Core Mが正式発表される(2014年9月6日)

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