毎度毎度PCパーツを買っては数ヶ月間、酷いと1年以上塩漬けにするのは悪い癖であるのだが、今回の餌食・・・もとい対象となるCore i7 5775Cもその例に漏れず数ヶ月間塩漬けにされていたCPUである。
しかし、今回ようやくこのCore i7 5775Cを使用して1台のPCをくみ上げることが出来たので、その模様を報告したい。
Core i7 5775Cは“Broadwell-C”と呼ばれ、デスクトップ向けでは数少ない“Broadwell”コア採用製品である。コア数は4であるが、iGPUとして“Broadwell”世代としては最上位となるGT3eことIris Pro 6200を搭載することが最大の特徴である。またTDP65Wながら倍率ロックフリーである点も地味に見逃せないであろう。
ところがこのCore i7 5775C、Intel 9 seriesマザーボードでしか対応しない上に、9 seriesマザーが出てからだいぶ後の登場となってしまったため、例え9 seriesマザーであってもBIOSが対応していないという事態は往々にしてある。
それを解決するのが今回のお題目で、“その前に”の言葉の意味するところである。
しかし、今回ようやくこのCore i7 5775Cを使用して1台のPCをくみ上げることが出来たので、その模様を報告したい。
Core i7 5775Cは“Broadwell-C”と呼ばれ、デスクトップ向けでは数少ない“Broadwell”コア採用製品である。コア数は4であるが、iGPUとして“Broadwell”世代としては最上位となるGT3eことIris Pro 6200を搭載することが最大の特徴である。またTDP65Wながら倍率ロックフリーである点も地味に見逃せないであろう。
ところがこのCore i7 5775C、Intel 9 seriesマザーボードでしか対応しない上に、9 seriesマザーが出てからだいぶ後の登場となってしまったため、例え9 seriesマザーであってもBIOSが対応していないという事態は往々にしてある。
それを解決するのが今回のお題目で、“その前に”の言葉の意味するところである。
まずこれがCore i7 5775Cだ。

LGA1150パッケージで外観そのものは“Haswell / Haswell Refresh”と変わらない。だが、ヒートスプレッダにはしっかりとCore i7 5775Cと刻印がある。定格周波数は3.30GHzでTurboBoostにより3.70GHzまで周波数が上昇する。L3キャッシュ容量は6MBと、Iris Pro 6200搭載の代償か、“Haswell”の4-core+GT2のダイを採用するCore i7より2MB少ない。
そして今回使用するマザーボードがASUSのGryphon Z97である。

このマザーボードのバックパネルにはこんなポートがある。

USB 3.0ポートの1つではあるのだがUSB BIOS Flashbackと書かれている。USB BIOS FlashbackはASUS独自の機能で、簡単に説明するとこの専用ポートに新しいBIOSを入れたUSBフラッシュメモリを挿入することで、対応CPUがなくともBIOSのUpdateが出来るという優れた機能である。また、うっかりBIOSを破損してしまった場合でもこの機能により復旧することも可能ではある(むろん全例が復旧可能ではなかろうが)。
ただ、USB BIOS Flashbackを使用するには相応の手順が必要である。
まずASUSのWebサイトから2つのものをダウンロードする。1つは新しいBIOS、もう1つはこれである。

これはBIOS Renamerと呼ばれる小さなプログラムである。これが後々重要になる。
BIOSとBIOS Renamerをダウンロードし、ZIPファイルを解凍した様子がこれだ。

BIOSフォルダの中にはこんなファイルが入っている。

よし、これをUSBフラッシュメモリに放り込んで先ほどのポートに差し込んでUSB BIOS Flashbackを実行すれば・・・とはいかないのである。USB BIOS Flashbackを使用する場合はBIOSファイルを相応の名前に変換しなくてはいけない。その働きをするのが先ほどのBIOS Renamerである。

BIOS Ranamerのフォルダ(BRenamer)の中には上の写真の通り2つのファイルが入っている。このうち、“BRenamerl.exe”をBIOSが入っているフォルダに移動する。

移動したら“BRenamerl.exe”を実行する。すると下のような画面になる。

この画面が出たらEnterキーあたりを押してやり、次へと進める。するとBIOSファイルの名前が変換される。

BIOSの変換前後の名前はマザーボードによって異なるが、Gryphon Z97の場合はGRYPHON-Z97-ASUS-2801.CAPからZ97GP.CAPに変換される。そしてファイル名を変換した後のBIOSファイル(この場合は“Z97GP.CAP”)をUSBフラッシュメモリの最上層にコピーする(この場合、USBフラッシュメモリには余計なものを入れず、BIOSファイルのみにした方がいいだろう)。そして先ほどのUSB BIOS Flashbackと書かれた灰色で縁取りされたUSB 3.0ポートにBIOSを入れたUSBフラッシュメモリを挿入し、USB BIOS Flashbackを実行する。

USB BIOS Flashbackのボタンの位置はそれぞれのマザーボードのマニュアルを参照していただきたいが、Gryphon Z97の場合はマザーボードの下方、USBコネクタとファンコネクタの間に小さなボタンがある。そしてUSBフラッシュメモリを所定のポートに挿入した状態でこのボタンを押す。
正常に動作した場合は1~2分ほど緑色のLEDが点滅を繰り返した後、消灯する。消灯すればBIOS updateは完了だ。逆に緑色のLEDが点灯しっぱなしになった場合は正常動作していないので、どこかのプロセスが間違っていることになる。
以上、Core i7 5775C使用の下準備としてASUSマザーにおけるUSB BIOS Flashbackの使用方法を稚拙ながら解説した。
将来的には「“KabyLake”を安売りしていたZ170マザーで動かしたい!」というようなときにもこの機能のお世話になることがあるだろう。そんな時にこの記事が少しでも役にたてば幸いである。
・・・なお、筆者自身がBIOSのファイル名変換付近ではまって3時間以上右往左往していたという事実は円環の理に導かれて葬られたようである。

この記事へのコメント
うちでもRampage IV ExtremeのBIOS更新の時に.capに変換するのがよく分からなくて2時間くらい悩んだなぁ。
i5 5675Cも7月頃に買ってたんだけど結局一昨日に初通電したわ。
CPUスペックは高いけどdGPU付けたくはないから使い所が難しかった。
i5 5675Cも7月頃に買ってたんだけど結局一昨日に初通電したわ。
CPUスペックは高いけどdGPU付けたくはないから使い所が難しかった。
2016/01/02(Sat) 00:47 | URL | LGA774 #-[ 編集]
「USB BIOS Flashbackの手順」にした方が引っかかりやすくなると思いますが
2016/01/02(Sat) 02:29 | URL | LGA774 #mQop/nM.[ 編集]
151056 1
151046さん
「USB BIOS Flashbackの手順」にした方が引っかかりやすくなると思いますが
どこの部分がどのように引っかかりやすいのか、説明をしていただけると非常に助かります。
私のみならず、この内容を参考にしようと思っている人の為にもよろしくお願いいたします。
「USB BIOS Flashbackの手順」にした方が引っかかりやすくなると思いますが
どこの部分がどのように引っかかりやすいのか、説明をしていただけると非常に助かります。
私のみならず、この内容を参考にしようと思っている人の為にもよろしくお願いいたします。
高級マザーになるとI/Oパネルのトゲが無いなw
廉価版だけあの手抜きは一体・・・・
廉価版だけあの手抜きは一体・・・・
2016/01/03(Sun) 15:08 | URL | LGA774 #-[ 編集]
BIOSの更新、やった事無いなあ。
socket7のP/I-P55T2P4から何十枚と乗り換えてきたけど。
socket7のP/I-P55T2P4から何十枚と乗り換えてきたけど。
2016/01/03(Sun) 20:37 | URL | LGA774 #Tf9aLMeg[ 編集]
2013年のIvyBridge-Eの記事を覚えていれば苦労しなかった気もしますが
2016/01/04(Mon) 21:48 | URL | LGA774 #mQop/nM.[ 編集]
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