北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
Intel kicks off eighth-gen Core with four cores and eight threads in 15W(The Tech Report)
Intel、薄型ノートでクアッドコアを可能にする第8世代Core Uプロセッサ(Impress PC Watch)
Intel「第8世代Core」に見る、微細化準備が整っても、製品を移行させない/させたくない理由(Impress PC Watch / 後藤弘茂のWeekly海外ニュース)
第8世代Coreプロセッサの本当のコードネームはどれ?(Impress PC Watch / 笠原一輝のユビキタス情報局)
Intel,第8世代Coreプロセッサの薄型ノートPC&2-in-1向けモデルを発表――TDP 15Wで4コア8スレッド対応を実現(4Gamer.net)
New 8th Gen Intel Core Processors: Simplifying Today, Opening the Door for What’s Next(Intel)
8th Gen Intel Core(Intel)

Intelは8月21日、第8世代Core i processorを正式発表した。昨今はデスクトップ向けの“Coffee Lake”の噂で持ちきりだったが、これの発表はなかった。そもそも第8世代Core i processorが1つのコードネームでくくることが出来る物ではなく、プロセスすら異なる物が混在するからだ。
 
しかし第8世代はIntelが出来る限りの性能の底上げを行った世代でもある。このため、一部の製品では10nmプロセスを用い、その他の製品では14nmプロセスを用いる。

今回発表されたのはTDP15WでノートPC向けの主流となるU seriesで、Core i7が2製品、Core i5が2製品となります。以下がそのスペックです。

Core i7, i5(KabyLake Refresh / 14nm+)
コア数
スレッド数
定格周波数
TB時周波数
キャッシュTDP対応メモリ
GPU
EU数GPU周波数
Core i7
8650U
4-core
8-thread
1.90GHz
TB 4.20GHz
L2=256kB x4
L3=8MB
15W2ch
DDR4-2400
LPDDR3-2133
'17/8/21
UHD graphics 620
24Max 1150MHz
Core i7
8550U
4-core
8-thread
1.80GHz
TB 4.00GHz
L2=256kB x4
L3=8MB
15W2ch
DDR4-2400
LPDDR3-2133
'17/8/21
UHD graphics 620
24Max 1150MHz
Core i5
8350U
4-core
8-thread
1.70GHz
TB 3.60GHz
L2=256kB x4
L3=6MB
15W2ch
DDR4-2400
LPDDR3-2133
'17/8/21
UHD graphics 620
24Max 1100MHz
Core i5
8250U
4-core
8-thread
1.60GHz
TB 3.40GHz
L2=256kB x4
L3=6MB
15W2ch
DDR4-2400
LPDDR3-2133
'17/8/21
UHD graphics 620
24Max 1100MHz


この第8世代Core i U seriesがTDP15Wで4-coreとなることは既報の通りですが、Core i7のみならずCore i5でもHyperThreading technologyが有効とされ、Core i7, i5ともに4-core/8-threadとなります。両者の違いは周波数とL3キャッシュ容量が主なものになります。

第8世代Core i seruesの先陣を切ったこれらの製品は“KabyLake Refresh”と呼ばれる物で、ダイそのものは第7世代の“KabyLake”の4-core+GT2の物を使用しています。製造プロセスも“KabyLake”と同じ14nm+となります。

今回発表されたなかったデスクトップ向けの“Coffee Lake”についてはIntel公式には以下のように記されています。

第8世代Core processorはまず薄型・小型ノートPC向けのMobile processorから投入される。続いてデスクトップ向けが秋に登場する。

もう少し詳しく述べているメディアでは“Coffee Lake”は10月前半で、Z370チップセットとともに発表される見込みだとしています。“Coffee Lake”のダイバリエーションは2種類で6-core+GT2と4-core+GT3e、つまり今までデスクトップ向けの主流であり今回U seriesにもたらされた4-core+GT2のダイは“Coffee Lake”にはない可能性があります。製造プロセスについては14nmとだけ言われていますが、わざわざコードネームをわけているということは14nm++なのでしょうか。

14nm+の“KabyLake Refresh”、14nm++(?)の“Coffee Lake”に続き、第8世代Core i processorを形成する3つめのコアが10nmプロセスの“Cannon Lake”となります。“Cannon Lake”の本格的な出荷は2018年第2四半期とだいぶ後ろにずれ込んでおり、少数のみが今年中に出荷されるようです。

第8世代Core i processorのコードネームと製造プロセス、ダイバリエーションをまとめたものが以下となります。

8th Gen. Core processor
コードネーム製造プロセスダイ
KabyLake Refresh14nm+4-core+GT2
Coffee Lake14nm++?6-core+GT2, 4-core+GT3e
Cannon Lake10nm2-core+GT2?


これら3種類の第8世代の次が“Ice Lake”で10nm+プロセスが用いられ、2018年中の投入が予定されています。

コードネームと製造プロセスがそれぞれで異なりややこしい (コードネームだのダイだのの話が大好きな層にはたまらない) 印象のある第8世代Core i processorですが、更に混迷を極めているのがチップセットです。“Coffee Lake”はデスクトップ向けに今年10月に登場しますが、その時組み合わされるチップセットはZ370となります。しかし、このZ370の中身は現行の200 seriesのダイを使用した物=つまりは“KBL-PCH”と呼ぶべきもののようです(Z280とかでいいんじゃないの?)。そして本来の意味での300 series
世代―つまりは“Cannon Lake”世代の「新しい」チップセットは来年となり、型番はZ390となるようです(このときにおそらくH3xxやQ3xxなども登場見込み。B360はもう少し早いのではという噂が立ってるが、今回は触れられていない)。またMobile向けではCPUパッケージにチップセット(PCH)のダイが封入されていますが、こちらは最初から“Cannon Lake”世代のPCHを統合します。

チップセット周りのゴタゴタが如何ともしがたいですが、なんと言っても第8世代はコア数の増加による性能向上が大いに期待できる世代でもあり、今現在まで長らく第2世代(“SandyBridge”)や第3世代(“IvyBridge”)のCore processorを使用しているユーザーも乗り換えを検討できるものになるのではないでしょうか。

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コメント
この記事へのコメント
157496 
コア数が増えたのは良いけどiGPUは交換できないからな
とりあえず様子見してRyzen mobileを待つぜ
2017/08/22(Tue) 00:10 | URL | LGA774 #-[ 編集]
157500 
8350Uと8250Uのturbo clock が逆なような…
2017/08/22(Tue) 02:04 | URL | LGA774 #-[ 編集]
157503 
Razer Blade Stealthの不満の一つにCPUの非力さがあるけど、あの大きさに4C8T乗ったら他の問題には目をつむれる

…けどRavenRidge版も出てくれたらそっち試してみたくはある
2017/08/22(Tue) 09:52 | URL | LGA774 #-[ 編集]
157505 
まさに今、メインノートがIvy世代のi7-3537Uだは。
大学に行くにあたって買ったものだが、それなりの大枚はたいたし、実際いまだに現役張れる性能あるが、i7なのに2コアなのはモヤモヤしてはいた。バッテリはとっくにヘタっているし替え時かもしれん。
2017/08/22(Tue) 10:40 | URL | LGA774 #-[ 編集]
157566 
ターボが数秒で低クロックに落ちそうな性能だな
2017/09/01(Fri) 13:20 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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