北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森四葉. Since July 10, 2006.)
◇“Ice Lake”のiGPUの話
Intel Ice Lake-U: Gen11 LP GPU GT0.5 surfaced in benchmark database(PCGamesHardware)

SiSoft Sandraのベンチマークデータベースに“Ice Lake-U”のものとされるprocessorの情報が投稿された。この“Ice Lake”はGen 11 LPと呼ばれる低消費電力向けのiGPUを搭載しており、GT0.5と呼ぶべき派生品である。Execution unitは8、Shader数換算で64となる。

SiSoft Sandraのベンチマークデータベースには今年初めから“Ice Lake-U”のものとされるprocessorの情報が投稿されていた。それらは48のExecution unitを搭載するものであった。
 
最近SiSoft Sandraのベンチマークデータベースにチラホラ出てきている“Ice Lake”のiGPUに関する話題である。“Ice Lake”世代自体が先の話になってしまったため、現時点では断片的な情報しかないが、投稿されている“Ice Lake-U”とされるprocessorのiGPUがどうやら2種類あるというのが今回の話である。

初期にに出てきたのはExecution Unitが48基のもの、そして最近出てきたのがExecution Unitが8基のものである。PCGamesHardwareでは後者を“GT0.5”と表現している。IntelのiGPUはExecution Unitと呼ばれるユニットが1つの単位となっているが、1つのExecution Unitには8基の積和算ユニットを備えている。PCGamesHardwareでは1 EU=8 Shaderとして表現している。

8 EUの場合は64 shaderに相当する。8 EUは現行のIntel CPUから比較しても相当少ない数であり、“Apollo Lake”世代の4-core Celeronでも12 EUが搭載されている(世代が違うので性能の単純比較はできないが)。一方、48 EUは現行のGT2の2倍の数であり、これだけでも強化が図られていることがわかる。しかしPCGamesHardwareによると48 EUはGT1.5にすぎず、メインストリームとなるGT2は64 EUであるという(原文では68となっているが、あまりにも中途半端な数字であるため、おそらく64の間違いと思われる)。“Ice Lake”世代でiGPUの強化が図られるという情報は出てきてはいるものの、GT2=64 EUであった場合、Execution Unitの数で現行の2.5倍となり、大幅な強化となるのは間違いない。

しかし一方でiGPUが癌で10nmプロセスが難航しているという情報も多く、もし強化したiGPUが足を引っ張って10nmプロセスCPUが遅延してるのなら、なんとも言いがたい状況ではある。



◇Intel 10nmプロセスのスペック
Intel 10 nm Process Increases Transistor Density by 2.7x Over 14 nm: Report(techPowerUp!)

Intelの10nm FinFETプロセスは当初の予定より遅れている。しかしながら、TechInsightsの情報によるとIntel 10nmプロセスは大幅に拡張されたものであることがわかる。

TechInsightsに投稿された情報によると、Intel 10nmプロセスは14nmと比較し、2.7倍のトランジスタ密度を実現し、1mm2あたり1億80万のトランジスタを搭載できるという。127mm2のダイサイズであれば128億のトランジスタを搭載できる計算である。またIntel 10nmは第3世代のFinFET技術を用いており、ゲートピッチは14nm世代の70nmから54nmに縮小し、最小メタルピッチも52nmから36nmに縮小している。

またBEOLにコバルトとルテニウムを使用していること、同じくBEOLとコンタクトにself-aligned patterningを用いていることがTechInsightsに投稿された資料より明らかになっている。

これらは“Cannon Lake-U”をベースとしたCore i3 8121Uを分析した際の記事で明らかになったものであり、Intelの10nmが他社の7nmに引けをとらない先進的なものであることがわかる・・・のだが、ものが出ないことには苦しいというのが実際であろう。Intelとしては「覚えてろ・・・地べたを這いドロ水すすってでももどってきてやる・・・」という苦しい状況であろう TSMCやGFはともかく数字ばかり細切れにしてる某S社には引導を渡してほしいのが本音



◇ではいつ10nm CPUが登場するのか
あと1年は10nm製品を投入しないと明言 インテル CPUロードマップ (ASCII.jp)

一応10nm CPUはCore i3 8121Uとして出てきてはいるが、本格量産にはまだ時間がかかりそうなのが現状である。そんな中、6月25日の大原氏のコラムが話題となっている。

今年と来年、われわれは14nmベースのデータセンター向け製品を投入する

これはほぼXeonのことと解釈して良さそうである。まず今年のXeonは14nmの“Cascade Lake-SP”でこれは既定路線である(“Cannon Lake-SP”? はてなんのことかな?)。問題はその次で、少し前の情報で“Cascade Lake-SP”と“Ice Lake-SP”の間に14nmの“CooperLake-SP”が挟まるという話が出ていたが、これが補強されてしまった形となる。つまり、今後のXeonは今年末から来年初めに14nmの“Cascade Lake-SP”、2019~2020年は14nmの“Cooper Lake-SP”、2020年か2021年にようやく10nmの“Ice Lake-SP”が登場するという流れが現実味を帯びてしまった形となる。

われわれは今後12~18ヵ月かけて10nm製品のコストと歩留まりを改善する予定で、その間は14nmプロセスを利用した製品のロードマップが予定されている

こちらはコンシューマ向けの話と解釈していいだろう。既に2018年後半に投入される製品が、デスクトップ向けは14nmの8-core版“Coffee Lake”、Mobiel向けは“Whiskey Lake”と“Amber Lake”という線が濃厚となっている(少なくともデスクトップ向け8-core版“Coffee Lake-S”は確定でよさそう)。一応第1世代10nm CPUである“Cannon Lake”は少数ながら出てきそうだが、大量生産は“Ice Lake”待ちであるのはほぼ確定的で、その“Ice Lake”も早くて2019年後半になりそうな気配である。

“Prescott”世代の90nmの時もIntelは苦しんでいたようだが、今回の10nmはその比ではない難産の様相を呈している。一自作ユーザーとしては見守ることしかできないだろう。


コメント
この記事へのコメント
160391 
GT0.5は歩留り対策かな?Ryzenの後追いかな?dGPUのMCM化戦略かな?
2018/06/30(Sat) 14:50 | URL | LGA774 #SFo5/nok[ 編集]
160394 
64EUだとRyzenAPUのVega8と同程度の規模。
DDR4のメモリ帯域を考えると、このあたりが一番バランスは良いのかもしれない。
あまり積み過ぎてもDDR4では性能を発揮しきれないかと。
2018/06/30(Sat) 21:56 | URL | . #-[ 編集]
160399 
まあしかし難航がiGPUの所為と言うのは希望的観測だろうねえ
強化したってWindowsMRをフルスペックで動かせる訳じゃあるまいしマイニングでもCPUにやらせた方がマシだろうに
そんな判断もできないほど追い込まれてるんだろうか
AMDは大躍進したが経営的に見ればインテルを脅かす程ではないのになあ
まあ他にもX86でないWindows10の登場とかアップルが自社製CPUに切り替える噂だとかそういうのも焦りに繋がっちゃってるのか
2018/07/02(Mon) 22:45 | URL | LGA774 #-[ 編集]
160404 
AMDのfusion構想を鼻で笑ってたintelが
APUもどきの自社製品に泣かされているっていうね
2018/07/03(Tue) 11:08 | URL | LGA774 #-[ 編集]
160427 
BEOLにコバルトだのルテニウムだの使ってるのに
レアメタル使いたくないからグリスバーガーって。。。
14nmソルダリングで出したほうが皆ハッピーではw
2018/07/06(Fri) 08:44 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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