北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森八雲. Since July 10, 2006.)
AMD Ryzen 3rd Gen 'Matisse' Coming Mid 2019: Eight Core Zen 2 with PCIe 4.0 on Desktop(AnandTech)
AMD shows off 3rd Gen AMD Ryzen CPUs featuring Zen 2 cores(bit-tech.net)
AMD's CES 2019 Keynote - Stream & Live Blog(techPowerUp!)
Zen 2-based Ryzen and Epyc processors are coming this summer(The Tech Report)
AMD demos 7nm Ryzen 3000 processor at CES (and kicks a bit of ass)(Guru3D)

AMDは1月10日、CES 2019でkey noteを開催し、7nmプロセスを使用して製造される“Zen 2”世代の製品となる第3世代のRyzen(コードネーム:“Matisse”)を披露した。

今回披露された“Zen 2”世代のRyzenは8-core/16-threadのものである。“Matisse”のコードネームで呼ばれているため、以下“Zen 2”世代のRyzenを“Matisse”と表記する。AMDのCEOであるLisa Su氏が掲げているパッケージがそれで、左側にI/Oダイ、右上に8-coreのCPUダイが配置されている。I/Oダイは14nmプロセス、CPUダイは7nmプロセスで製造される。
 
この“Matisse”を用いていくつかのデモが行われた。まず実施されたのはこちらも新たに発表されたRadeon VIIと組み合わせてのForza Horizon 4の動作デモで、1080pの解像度で100fps以上のフレームレートが達成されていることを見せた。

続いて行われたのはCineBench R15でCore i9 9900Kとの比較が行われた。スコアはCore i9 9900Kが2040、“Matisse”が2057と後者が若干高い程度にとどまるが、特筆すべきはその消費電力でCore i9 9900Kが180Wだったのにたいし、“Matisse”は135Wで、競合の3/4の消費電力で同等以上のスコアであることが強調された。

“Matisse”の特徴として新たに挙げられたのは以下である。

  ・PCI-Express 4.0への対応。
  ・現在用いられているSocketAM4プラットフォームでの対応。

新しいI/OであるPCI-Express 4.0へ対応させたい場合は“Matisse”と同時期に登場する新しいマザーが必要となるが、現在のSocketAM4マザーでも対応BIOSに更新すれば“Matisse”を動作させることが可能であるとされ、“Ryzen 3000-Ready program”なるものが新たに走っているようだ。
PCI-Express 4.0に対応したマザーボードは今年夏に予定されており、“Matisse”―Ryzen 3000 seriesもこの時期に登場する見込みだ。



Ryzenに続いて披露されたのは同じく7nmで製造される“Zen 2”世代のEPYC―“Rome”である。

スペックは明かされなかったが“Rome”の1 processorシステムと、28-core/56-threadのXeon 8180 Platinumの2 processorシステムの比較デモが行われ、レンダリングで“Rome”の1-wayシステムがXeon 2-wayシステムに勝る様子を見せた。

“Rome”は今年中盤の出荷予定となっている。



◇“Zen 2”世代Ryzenのダイの話

AnandTechには“Matisse”のダイについてもう少し詳しい考察がなされている。SocketAM4のパッケージは40×40mmなので、写真があればその比率からCPUダイ、I/Oダイのサイズを求めることができる。算出されたサイズであるが、CPUダイが10.53mm×7.67mm=80.80mm2、I/Oダイが13.16mm×9.32mm=122.63mm2である。

CPUダイについては“Rome”が明らかにされたときにも同様の方法で算出が行われ、多少のズレはあるが大体同じようなサイズに収まっており、第1世代のRyzen(“Summit Ridge”)とEPYC(“Naples”)同様、使用されているCPUダイはRyzenとなる“Matisse”とEPYCとなる“Rome”で共通となるようだ。
I/Oダイのサイズは“Rome”のそれとは明らかに異なっており、400mm2前半から中盤と見積もられている“Rome”のI/Oダイのおおよそ30%程度の大きさである(実際に“Rome”の写真を用い、CPUダイの面積を今回算出された80.8mm2として“Rome”のI/Oダイの面積を求めたところ、468mm2という数字が出てきた。元の写真の正確性が問題となるが、“Rome”のI/Oダイと“Matisse”のI/Oダイが異なるものであることは間違いなさそうである)。



◇やはり気になる右下の空間
AMD 3rd Gen Ryzen AM4 Package Capable of Two 8-core Chiplets(techPowerUp!)
AMD Ryzen 3000 with 12 and 16 cores will make an appearance as well(Guru3D)
AMD's Ryzen 3000 series could offer up to 16 cores(OC3D)

今回明らかにされた“Matisse”は2ダイ構成である。左側にI/Oダイ、右上にCPUダイである。I/Oダイが14nm、CPUダイが7nmであるためか、CPUダイの方が小さいことも1つの特徴である。しかしそれ以上に注目されるのはその配置である。

もう1度言う、左側にI/Oダイ、CPUダイは右上に配置されている。

右下に意味深なスペースがあるのである AMD「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」

誰もが同じことを考えたようだ。この意味深にあいている右下に何かしらのチップが載せられるのではないかと。早速写真を加工してCPUダイを2つにした画像が出回っているが、非常に収まりがよい。

さらに探究心あふれるメディアは、写真を思い切り引き伸ばし、右下の空間にもう1つのダイが載せられる配線パターンがあることを指摘した (やはり皆“Zen 2”の12, 16-coreを期待しているのだろう)

この右下のスペースにもう1つのCPUダイが載るのか、あるいはGPUダイ(“Navi”?)が載ってAPUとなるのか、いろいろと夢が広がる話である。

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コメント
この記事へのコメント
162546 
わざわざ見せた以上、デモに使った(9900Kとバトルした)ものはLisaが見せたI/O+1のモデルだろう

ということはだ、仮にもう1チップCPUを載せられるとすれば……!
量産の暁には9900Kなぞあっという間に叩いて見せるわ!
2019/01/10(Thu) 20:52 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162555 
Ryzenは技術的にもマーケ的にも先の先を考えていて感心しますね。
初めに商品化されるのは8C16Tでしょうが、
その後のアップグレードを期待させる(それも相当な確度で)
見せ方もニクい演出です。

あとはGPUがどれだけGeForceに追いつき、
ビジネス面でのサポートが充実するかですね。
正直、AMDはビジネス的なアプローチが弱いので・・・。
2019/01/10(Thu) 22:16 | URL | LGA774 #3DpfYUu6[ 編集]
162556 
クロックは不明だけどインテルよりIPC高めなのが出てきそうで正直嬉しい誤算
一部で噂されてたZen2は前世代と比較してIPC30%向上は本当かもしれない
AMDがインテルとガチで殴り合えるくらいに復活してくれて両刀使いとしては助かる
2019/01/10(Thu) 22:20 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162557 
IntelにしろNvidiaにしろAMDにしろ物が出るまで話半分で聞くことにしてる
2019/01/10(Thu) 22:27 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162558 
AM4マザーが使えるだなんて、誰かさんにAMDの爪の垢飲ませたい
2019/01/10(Thu) 22:30 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162561 
TDP95Wの9900Kより45W低い
1個120万円のXeon Platinum 8180x2より早い

つよい(確信)
2019/01/10(Thu) 22:55 | URL | - #-[ 編集]
162562 
前にIOダイが挟まると性能が云々言ってた奴が戯言に過ぎなかったのが解った
2019/01/10(Thu) 22:58 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162564 
で、Naviさんや....
まだか....はやくこーい
2019/01/10(Thu) 23:10 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162566 
NVIDIAがRTコアのクソっぷりに躓いている今こそ
RADEONのチャンスなんだけどなぁ…
2019/01/10(Thu) 23:23 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162567 
あの空間一杯にGPUが載るAPUだとしたら、相当強力なのでは…

Fusion構想をまだAMDが捨てていないのであれば、そうなるのかもしれないが
2019/01/10(Thu) 23:24 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162575 
AM4のままでPCI-E4.0対応なのは良いんだが、マザボ作り直しになるのなら序でに新チップセット出さないんだろうか?
2019/01/11(Fri) 00:23 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162576 
昨年一昨年と同じく3-4月リリースと思っていたから
夏までお預けは長いぜ。
2019/01/11(Fri) 00:28 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162579 
AMDのCPUサイドは面白い。
製造プロセスの酷い周回遅れの中あの手この手と
繰り出していく様は見ていて面白かったですが
RyzenはJagureコアを超える出来栄えで嬉しいですね。

GPUもドライバの機能面は面白くなってきましたし、
頑張って2強と言われる位にはなってほしいね。
1強はやはり消費者的に良い事がないですしね
2019/01/11(Fri) 01:10 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162580 
7nm VEGAが331mm2だから大雑把に空きスペースに14CU(RX460)程度の7nmVEGAが載せれる可能性が有るのかな
2019/01/11(Fri) 01:27 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162581 
16コアまで行くとメモリ帯域と釣り合うのかという不安もあるが…
2019/01/11(Fri) 01:43 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162582 
>162575
 wccftechの中に掲載されている写真(Keynoteの中で使われたスライドだと思う)の中に、

  X570

 という新チップセットらしき型番が載っているので、まず間違いなく出てくるかと。
  ※ローンチ@Computexらしい
2019/01/11(Fri) 02:00 | URL | 通りすがりの者 #qbIq4rIg[ 編集]
162584 
怪情報通りにAMDではFX-9590以来となる常用5GHzのCPUとなるのならすぐにでも欲しい所だけども
正式なスペック表と実物が出てくるまでは何とも判断しかねるなぁ…
2019/01/11(Fri) 02:52 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162585 
iGPU用の空きランドだとすると、81mm^2で7nmなら多分GP106よりもトランジスタ数は多いはず。普通に考えたら2ch-DDR4ではメモリ帯域不足で性能を生かしきれないけど。。。
2019/01/11(Fri) 03:53 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162587 
今夏に発売なら、モニターを更新した自分には丁度良いかも。でも、AMDは遅れれば遅れる程、収益の額を減らしそう、そもそも、ryzenってまだ売れてる?競合と違って値幅の変動が激しいのは何故だろう。
2019/01/11(Fri) 06:35 | URL | Socket942 #-[ 編集]
162589 
チップレットの面積考えるとAPUには本当に16CUくらいのGPU載りそうだな…
2019/01/11(Fri) 07:52 | URL | LGA774 #mQop/nM.[ 編集]
162592 
※162562
cinebenchはもとよりレイテンシの影響をあまり受けないしこんなもんやで
2019/01/11(Fri) 09:09 | URL | LGA774 #EBUSheBA[ 編集]
162596 
「作れる」と「作る」は別の話だからなぁ
当分は8コアの舐めプで十分だし、IceLakeは下手したらZen3とぶつかりそうだし、
結局Zen2の8+8コアは作らず終いって可能性もある
2019/01/11(Fri) 17:56 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162598 
>162558
ソケットFM1、FM2、FM2+の悪口はやめろよ
2019/01/11(Fri) 22:35 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162604 
もう1ダイがGPUだとして、VEGAベースだと24CUは余裕、32CUも行けそう
32CUならデスクトップ版で6T、モバイル版でも4T辺りが視野に入ってくる
24CUだとしてもミドルクラスの下の方までカバーできるね
今年中に2ダイのCPUとAPU両方出せれば相当なシェア取れそう
あくまでメモリ帯域が十分ならだけど
2019/01/12(Sat) 12:43 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162609 
大多数のユーザーに意味の無いcinebenchで競われてもねぇ
Ryzen2には期待してるがもっと他のベンチで比較してほしいわ
2019/01/12(Sat) 15:48 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162612 
これは久々にAMDにする事になりそうだな。
2019/01/12(Sat) 17:55 | URL | i7 市民 #-[ 編集]
162646 
Zenアーキテクチャ自体がCCXの複製のみでサーバーからノートパソコンまでカバーするCPUを目指したものだろうし、I.F.上でCCXとiGPUと言う異種混載を成し遂げるであろうzen2世代のAPU(恐らくRyzen G/Uの4000番台)こそがZenアーキテクチャと言うI.F.プロジェクトの完成形だろうね
I.F.上での異種混載はRaven Ridgeが、分離I/Oチップでの多CCXダイ制御はRomeが成し遂げているから、CCXとiGPUの分離搭載はすぐにでも可能な段階まで来ている訳だ
こうしてZen2世代を見ると、単ダイを集めただけのzen+以前と、特化したダイをI.F.で結合させたzen2の間には深い溝があるのが良くわかる
2019/01/13(Sun) 23:45 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162651 
>162587
ヒント:どこぞのASK
2019/01/14(Mon) 13:23 | URL | LGA774 #-[ 編集]
162652 
※162598
そいつら程度の互換性も保てないメーカーの話だろw
2019/01/14(Mon) 15:13 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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