北森瓦版 - Northwood Blog (Author : 北森四葉. Since July 10, 2006.)
Intel expects 7nm to be ready in two years(OC3D)
Intel's CEO Blames 10 nm Delay on being "Too Aggressive"(techPowerUp!)
Intel CEO blames aggression for 10nm missteps(bit-tech.net)

IntelのCEOであるBob Swan氏が同社の7nmプロセスについて説明し、2年以内に準備をすると説明した。7nmプロセスは(おそらく10nmプロセス比で)2倍のトランジスタ密度を実現し、かつ設計の複雑性1/4に減らせるとし、より小さくより容易に設計を行うことが出来るプロセスになると説明した。

10nmの遅れにより延命に延命を重ねた14nmプロセスと比較すると、10nmプロセスは比較的短命に終わる見込みである。
 
7nmの時期について示されたのは今回が初めてではなく、5月上旬の“Investor Day”でも同様の展望が示されている。OC3Dにその時に使われたスライド―“Relenteless Innovation Contineus”とタイトルがつけられたものが掲載されており、7nmプロセスが2021年に立ち上がることが示されている。また10nm比で2倍のトランジスタ密度を実現し、かつ設計の複雑性を1/4に減らすこともここに記されている。またこの世代でEUVを導入することも明記されており、EUVの導入が「設計の複雑性を減らす」事にも寄与しているだろう事が想像できる。

14nmプロセスが14nm→14nm+→14nm++と進化したように、10nmも10nm→10nm+→10nm++と、7nmも7nm→7nm+→7nm++と改良されていくこともこのスライドでは示されているが、これは今回の話からはだいぶ外れる。

Bob Swan氏は10nmプロセスの遅延の理由についても振り返っている(むしろこちらをメインに取り上げているメディアも多い)。10nmプロセスの遅延は"too aggressive"―つまりあまりにも攻めすぎたことが原因だとしている。最近ではあまり言われなくなってしまったが、10nmプロセスではHyper Scalingを実現すべく、様々な機構が盛り込まれる予定であった。そして14nm比で2.7倍のおトランジスタ密度を実現するとしていた。これが困難を招き、結果遅延に次ぐ遅延となった模様である。
またそれゆえか、7nmプロセスでのスケーリングは2倍で、10nmで目指した2.7倍と比較するとだいぶ穏当なものとなっている。

Intelの7nmは2年後、つまり2021年を目指しているわけであるが、現在リークしているロードマップで2021年付近と言われているものを挙げていくと“Tiger Lake”や“Rocket Lake”、“Sapphire Rapids”あたりが挙がる。このうちMobile向けの“Tiger Lake”は10nmといわれており、デスクトップ向けの“Rocket Lake”は14nmとされている。“Sapphire Rapids”はサーバー向けであるが、今のところこれの製造プロセスは不明である(“Sapphire Rapids”が7nmプロセスだとすると、最先端プロセスを使用した最初のCPUがサーバー向けとなるが、Intelとしてはあまり前例はない)。

これらの次の世代であるが、“Sapphire Rapids”の次が“Granite Rapids”である。そして“Tiger Lake”の次として本当に名前だけがちらっと出ているようなものとして“Alder Lake”というものがある(2018年頃に一部のメディアが“Tiger Lake”の次の世代として挙げた名前である。当時次世代アーキテクチャの名として“Ocean Cove”が考えられてが、現在のIntelのコードネームの命名規則がCPUアーキテクチャ名=“~Cove”、クライアント向けCPUコア名=“~Lake”、サーバー向けCPU名=“~Rapids”に整理されつつあることから、“Ocean Cove”はどこかの世代のCPUのアーキテクチャの名前だったと推定される)。そしておそらくは“Graphite Rapids”や“Alder Lake(?)”が7nmプロセスに既に移行している世代となるだろう。

いろいろ書きすぎてしまったので締めを。

○まとめ
  ・Intelの7nmプロセスは2年以内―2021年までの投入を目指す
  ・7nmプロセスのスケーリングは2倍、一方で設計の複雑さは1/4に減じられる
  ・10nmの遅延は攻めすぎたこと。“Hyper Scaling”がキツかった模様



コメント
この記事へのコメント
165258 
まとめがすっごい分かりやすい…
2019/07/19(Fri) 00:12 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165260 
→おトランジスタ
育ちが良すぎるにも程があるw
2019/07/19(Fri) 01:00 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165261 
『おトランジスタ』
また新しい言葉が生まれてしまった。
2019/07/19(Fri) 01:39 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165262 
そのころにはTSMCは5nm+量産か。
高くついた遅延だったな。
2019/07/19(Fri) 02:09 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165263 
さすがに10nmみたいな遅れはないだろうけど、こういう予定は大抵ずれ込むイメージ
結果22年末とかになっても驚かない
2019/07/19(Fri) 02:52 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165264 
来年まで売るものないんだから既存のCPU値下げせい
2019/07/19(Fri) 03:18 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165265 
そして案の定また遅れてしまい、14nmの稼動実績が10年を超えるのであった。
と予言してみる・・・
2019/07/19(Fri) 03:36 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165266 
14nm比で2.7倍の密度が10nmで
10nm比で2倍の密度が7nmってことは
14nm比で4.7倍の密度が7nmってことかな?

4.7倍の密度かー凄いなーとは思うけど、10nmにあれだけ苦戦したインテルが
計画通りにすんなり7nmに本当に移行できるのだろうか…という疑問はある。


そこで、昔のIntelニュース記事を読み返すと中々面白い

2013年に「2015年に10nm、2017年に7nmを目指す」
2016年に「2016年中に10nmプロセスを量産、7nmは2019年」
って題名のニュース記事が出てたのに、現実はようやく2019年に10nm(モバイル向け・それも少数)なのを考えると…
今回のインテル発の7nmの計画も、話半分に聞いておいた方がいいかもしれない…
2019/07/19(Fri) 03:40 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165268 
ただ高くつくかはロールアウト時の性能次第でしょ。
これでTSMC 5nmだとして100の性能で、Intelが7nmだとしても105の性能なら決して高い遅延とは思えない。
2019/07/19(Fri) 06:51 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165269 
この攻めのおかげでノード名と実際のトランジスタの大きさが乖離しているしな
TSMCの7nmよりもIntelの10nmの方が小さなトランジスタでしょ
2019/07/19(Fri) 07:41 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165270 
おトランジスタが不意打ち過ぎてむせてしまった
2019/07/19(Fri) 08:21 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165273 
どうせ遅延するんでしょ
2019/07/19(Fri) 08:59 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165274 
10nmだって順調とか散々煽っといてあの体たらくやん
実際に出るまで信用しないよ
2019/07/19(Fri) 09:00 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165275 
慢心
努力するものが報われる
2019/07/19(Fri) 09:18 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165276 
本当に予定通り21年に投入できるんですかねぇ
2019/07/19(Fri) 12:06 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165277 
従来通りTSMCなどの5nm相当なのかがはっきり書いてなくてわからんちん
2019/07/19(Fri) 13:32 | URL | LGA774 #jtw.gl9w[ 編集]
165278 
うん、まあ、頑張って。
2019/07/19(Fri) 13:34 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165281 
なななの!が無い
2019/07/19(Fri) 16:18 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165282 
10nmは短命っていうか、失敗だよね
エンジニア何人かクビになったんじゃないの
2019/07/19(Fri) 16:30 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165284 
この頃にはfoverosもメインストリームで使われてんのかな。
2019/07/19(Fri) 18:18 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165287 
10nmが短命というよりむしろ14nmが長生きしすぎただけだよね。
ただ2021年末に立ち上げるだけで製品としては出てこない気がする。

10nm++で14nm++を上回れる見込みがあるらしいし7nm立ち上げるのが遅れる可能性もあるから10nmデスクトップもワンチャンスあるかも。
2019/07/20(Sat) 01:37 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165288 
計画通りにいかないとそろそろAMDが殿様商売始める
2019/07/20(Sat) 01:49 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165289 
まあ技術的な挑戦をしすぎなければそう大きな遅延はしないでしょう
2019/07/20(Sat) 01:50 | URL | LGA774 #U0pvn4uw[ 編集]
165291 
インテルはずっと殿様商売だが
2019/07/20(Sat) 06:39 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165292 
まあやばくなってきたらIntelもTSMCでチップ作るだけだし?
2019/07/20(Sat) 07:29 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165294 
まーインテルの気持ちはわかる
ここで集積度を上げる手法を確立しておかなければ
そこまで来たプロセスルールの限界で支障がでる・・とね

まーAMD的には今はインテルへの対抗を最優先
限界が来たならその時考えよう・・・って感じかな?
幸いインテルの停滞でAMDは助けられかもね!?

矢張り科学って面白いね
あらゆる知識・経験・理論を用いても予測した結果が出ない
仮説と実験、失敗と成功の地道な努力だよなー
2019/07/20(Sat) 09:52 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165295 
まぁ待て待て。10 nm以前のintelのプロセスはきちんとスケジュール通りに・・・あれ?
2019/07/20(Sat) 09:56 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165299 
目指す(出来るとは言ってない)
2019/07/20(Sat) 14:34 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165300 
>165266
そこは足し算じゃなくて掛け算するところ
2019/07/20(Sat) 16:34 | URL | LGA774 #S1aaP892[ 編集]
165302 
今までの悪い意味での実績がある分、コメ欄の冷めっぷりが凄いね…。
2019/07/20(Sat) 17:00 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165305 
Samsungの7nmを工場ごと買収する位しないとスケジュール通り行けない気がするのですけど。
2019/07/20(Sat) 20:25 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165306 
「おトランジスタ」って上品な言い方だなってツッコもうとしたらみんな既におんなじこと言ってたwwwww
2019/07/20(Sat) 21:00 | URL | ペンちゃん #-[ 編集]
165308 
TSMCが5nmで3D積層チップを作るらしい

https://wccftech.com/tsmc-3d-wow-packaging-5nm/

デスクトップでは排熱の関係で無理らしいのでモバイルとの差がますます縮まりそう

流石のintelも予定道理に7nmを立ち上げなければ厳しい状況だと思う

Foveros 3Dパッケージ技術にも期待しているけどlakefield搭載製品の話を全然聞かない所を見るとやはり量産出来ないか排熱問題を解決できてなかったのだろうか?
2019/07/20(Sat) 23:50 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165309 
ジム・クラークが携わるアーキテクチャはもう少し後かな?
セットで出て来ればインパクト大きいけど。
2019/07/21(Sun) 03:52 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165310 
間違えたジム・ケラー
2019/07/21(Sun) 03:52 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165311 
攻め過ぎて複雑化・・・ひょっとしてintel10nmってPrescottの再来みたくなっちゃってる?
2019/07/21(Sun) 08:11 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165314 
Bob Swanは元々CFOなんだけど、技術的裏付けのある確固たる自信はあるんですかね?
2019/07/21(Sun) 23:46 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165327 
>165308
積層チップは以前聞いたときは画期的だと思ったが、
今となってはRyzenのI/Oとchipletを縦に重ねたやつにしか見えない。

Ryzen 2000→3000番台で足回りの特性はさほど変わらなかったから、
結局のところ積層チップも劇的な変化はないような気がする。
2019/07/23(Tue) 06:01 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165331 
>>165314
Intelの技術に世界一詳しい人(=自社CTO)がやれると言ってるんだろう。
CEOは会社が目標を達成するように経営する人。
そのために必要ならば人事や組織の刷新含めて何でもやる。
2019/07/23(Tue) 06:43 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165335 
>165308
>lakefield搭載製品の話を全然聞かない所を見ると

すでにdellやHp、レノボが商品発表してる
Project Athena って名前知らないなら仕方ないけど
2019/07/23(Tue) 11:43 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165343 
Intelが膨大なマーケティング費用を使うから、大手のdellやHp、レノボは取り敢えず出してくれるよ
問題はそこで流れを作って普及できるかどうかが問題
Intelはいつも流れを作れなくて失敗して撤退してる
2019/07/24(Wed) 00:12 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165350 
AMD
 2020年までに5nmプロセスの製品化を目指す

アクティブファンド
 ベンチマーク(株価指数など)以上の運用成績を目指す

インテル
 7nmプロセスを目指す
2019/07/24(Wed) 06:57 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165354 
お好評だからおトランジスタをおワザとお修正せずにお残ししましたわね。
おイイぞ、おもっとおやれですわ。
2019/07/24(Wed) 12:15 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165356 
>165335
Project Athenaが使うのはIce Lakeだよ
Lakefieldはベンチすら上がってないし今年に出るのかすら怪しい
2019/07/24(Wed) 21:53 | URL | LGA774 #-[ 編集]
165782 
10nm移行に失敗した一番の原因が14nmCPUの売れすぎによる供給不足だから、それを教訓に今回はわざと10nmを期待外れの仕様にすることで供給不足を未然に防ぎ、7nmへの移行をスムーズに行えるようにしたいのかもしれないね。
2019/08/16(Fri) 22:44 | URL | LGA774 #-[ 編集]
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